ジャカルタのお土産というと何を思い浮かべますか?
一口に「インドネシア」と言っても、バリならばおしゃれなバリブランドのコスメ、ジョグジャカルタだと本物の伝統バティック、アチェだとコーヒー、などそのエリアならではの名産品があります。
一方ジャカルタでは名産がそこで作られているわけでもなく、あまりにお土産っぽいものを買うと「東京で八つ橋を買って帰る」ような感覚に陥ります(笑)
*
そこで提言。お土産は土産用に作られたものを買って帰るという方法もありますが、あえて日常的に現地で使われているものを選んでみるという方針もあるでしょう。
ジャカルタではジャカルタ名産!というものはないので、あえてインドネシア人の日常生活に振り切って「普通のもの」を買ってみるのもよいのではないでしょうか。
ということで、今回は在住者の視点で「一風変わって見えるけど、インドネシア在住者的にはまったく変わって見えないインドネシア土産(だって中から見ると日常的だから)」を独断でご紹介してみます。
コピルアクでもバティックでもない。普通のお土産には飽きた方はぜひご参照ください。
本記事の目次
- 1 選定の視点
- 2 【次点】ラケットニャムック(Racket Nyamuk)
- 3 【10位】プロストビール(Prost)
- 4 【9位】チョベッ(Cobek)
- 5 【8位】ソスロテーボトル(Sosro Tehbotol)
- 6 【7位】サンバルソース エキストラプダス(Saus Sambal EXTRA PEDAS)
- 7 【6位】マサコ(Masako)・ササ(Sasa)
- 8 【5位】エステエムジェイ(Este Emje)
- 9 【4位】インドミー(Indomie)
- 10 【3位】マジックウォーター(ラルタン/Larutan)
- 11 【2位】キランティ(Kiranti)
- 12 【1位】トラックアンギン(Tolak Angin)
- 13 最後に
選定の視点
とはいえ、のべつ幕なしに選んでくとキリが無くなってしまうので、多少の軸を持って選んでみます。
選定の視点はこんな感じです。
- 日常性:インドネシア人が日常的に使ったり触れたりしているものか?
- 希少性:インドネシアでしか手に入らないものか?
- らしさ:インドネシアらしさが出ているか?
- インパクト:もらった人の記憶にも残るか?
簡単にまとめると、「インドネシア(特にジャカルタ)ではどこでも見かけるので超普通だけど、日本に持っていくと思い出と共にお土産になるかもね」というアイテムです。
そういう意味ではバティックも超日常的アイテムですが、お土産として定番すぎるのと、土産でもらっても日本だとなかなか着れないよね、ということで今回は入れていません。
【次点】ラケットニャムック(Racket Nyamuk)

惜しくもランキングから外れたが、インドネシアっぽい一品としてご紹介。
インドネシアの生活は「蚊との戦い」と言っても過言ではないくらい蚊がいます。
屋外も屋外も問わず、わが物顔でうろつく蚊達。
「あ~、もう誰かなんとかしてよ~!」といらいらが絶頂に達した時、「バチバチッ!!」という電撃音が聞こえたらそれは漏れなくラケットニャムックです。
ローカル飲食店やフードコートなどではこのラケットで店員が必至に蚊と戦う様子を見ることがあります。
これを日本で振うたび、蚊と戦ったインドネシアでの日々を思い出すのではないでしょうか。
次点としたのには理由があります。
これです。
そう、日本で買える。
また、短い滞在中では見かける人も少ないかもしれませんね。
ただ「蚊との戦い」という視点でインドネシアらしさが漂っているのは間違いありません。ということで次点です。
ちなみに価格はジャカルタ市内だと400~600円程度です。
【10位】プロストビール(Prost)

海外のお土産で現地ビールを買うのは定番です。
酒を飲まないムスリム主体のインドネシアでも、国産ビールがいくつかあります。
有名なのは「ビンタンビール」ですが、ここはあえて最近注目を集める「プロスト(PROST)」をおすすめします。
昨年末くらいから市場に登場した新興ブランドで、スッキリとした飲み口でなかなか飲ませます。
缶ビールで150~200円程度です。
コンビニではお酒は売っていないので、スーパーマーケットで探してみてください。
お土産としてはかなり使えるのですが、インドネシア人で酒を飲む人は多くはないので10位にしました。
ちなみに、Bali Haiという現地ビールブランドもなかなか美味なのでぜひお試しください。
【9位】チョベッ(Cobek)

インドネシア料理の肝はスパイス作りです。そしてそのスパイスは今でも手作業ですり潰して作られます。
スパイスづくりの必需品がこの石器のようなチョベッです。屋台を覗くとよく使われていますね。
トマトや唐辛子、エシャロットとニンニクを入れてすり潰せば自家製サンバルソースの出来上がりです。
筆者も体験したことがありますが、これがなかなか難易度が高くて時間もかかる。
その分、完成した時の喜びはひとしおです。
ミキサーでいいじゃん、という声が聞こえなくもないですが、長い人生、効率だけがすべてじゃない。たまに無駄があっても良いのです。
パサールと呼ばれる市場だと安ければ200~400円で買えます。
モールの中にある大き目のスーパーやキッチン用品店などでも購入可能ですがその場合は少し高めで、1,000円程度になっている場合もあります。
【8位】ソスロテーボトル(Sosro Tehbotol)

インドネシアだけではなく東南アジア全体の洗礼とも言える「甘いお茶」。
各国にお茶ドリンクブランドがありますが、インドネシアの代表的ブランドはソスロのテーボトルでしょう。
インドネシアは日本でも有名な「ジャワティー」の茶葉が作られているお茶の名産地。
こちらのブランドに限らず地元のお茶はおすすめです。
甘いのが苦手、という方はスーパーで茶葉をあさってみるのも良いでしょう。お土産屋の半分程度でそれらしいアイテムが買えます。
【7位】サンバルソース エキストラプダス(Saus Sambal EXTRA PEDAS)

日本人もわりと何でも醤油をかけて食べますが、インドネシア人も同じくあらゆる食事にサンバルソースが付いてきます。
醤油が日本の魂ならば、サンバルはまさにインドネシアの魂です。
食卓で味わうたびにインドネシアを思い出すことになるでしょう。
東南アジア料理も日本でポピュラーになったので、日本でもEC購入することは可能です。
ただ、現地で買うと圧倒的に価格が安い。小さいものであれば1本数十円から買うことが可能で、水か?と思うくらい安いです。
どうせなら最も辛い「エキストラプダス(Extra Pedas)」と書かれたものが良いでしょう。プダスは「辛い」という意味です。
また、迷ったら現地でメジャーなABCブランドかIndofoodブランドを選べば間違いないでしょう。
【6位】マサコ(Masako)・ササ(Sasa)

女性の名前ではありません。プレミックスパウダー型調味料のブランド名です。
マサコはご存じ我らが味の素から、ササはロダマスグループというローカルカンパニーからの商品です。
インドネシアでは家庭でも店舗でもこれらプレミックス調味料利用率が異様に高く、逆を言えばこれを使うことで一般的なインドネシアの味をある程度であれば簡単に再現可能です。
ご飯にかけて炒めればナシゴレン、野菜炒めに入れればチャプチャイ、スープに使えばソトやソプブントットまで(もちろん本格的に作るのであればスパイスやハーブが必要ですけどね)。
野菜スープの素、チキンスープの素、フライドチキン用のシーズニングなどそれぞれ用途別に販売されています。
Sasaではケンタッキー風味まであります。

価格はいずれも安く、小さいものであれば100円切る程度から買うことができます。
【5位】エステエムジェイ(Este Emje)

インドネシアにはジャムウと呼ばれる民間伝承の伝統的な「食品と薬の間」に位置する食品カテゴリーがあります。
ジャムウ専門店などもあり、体調が悪い時には症状に合わせて調合してもらったドリンクを飲んだりします。
予防医学に近いものも多く、ちょっと疲れた時は風邪の引きはじめなどに飲まれるものも多々。
パウダーで売っているものもあるのでお土産としてもおススメです。
エステエムジェイはその代表格で、日常的に飲用されています。
変な名前だな、と思われるかもしれませんが名前には理由があります。
ESはSで「Susu」から(インドネシア語でミルクの意味)
TEはTで「Telur」から(インドネシア語で卵の意味)
EMはMで「Madu」から(インドネシア語でハチミツの意味)
JEはJで「Jahe」から(インドネシア語で生姜の意味)
というように素材が名称になっています。
酒は入っていませんが、日本の「卵酒」によく似ていますね。
価格も非常に安価でだいたい1杯分で20円程度です。
小分けになっていて体も温まるので、冬のオフィス土産におススメです。
【4位】インドミー(Indomie)

日本にカップヌードルがあるならば、インドネシアにはインドミーがあります。
インドミー専門のインドミースタンドも街中にたくさんありますし、自分で食べる場合もコンビニからスーパーまであらゆるお店で購入が可能です(一食30円程度)。
まさにインドネシアの国民食といっても過言ではないのではないでしょうか。
筆者のおススメはスープとともに食べる「SOTO味」です。チンゲン菜をと卵を添えて食べるのがインドネシアンローカル風。
麺を茹でたお湯はそのままスープに使わずに捨てましょう。このスタイルもインドネシアンローカル風。
体に良くない、ということで麺を一度「洗う」感覚でゆでています。
名前だけ見るとインド土産と勘違いされてしまう可能性もあるので、軽い説明とともに渡しましょう。
筆者も最初インドネシアに来た時、インドの大会社が作っているのだと思っていました。
【3位】マジックウォーター(ラルタン/Larutan)

コンビニ、スーパー、道端の屋台、とインドネシア中の店という店に置いてある謎のドリンク。
水かな?と思いますが、これもジャムウの一種でマジックウォーターと呼ばれています。
現地では喉に違和感がある時や痛む時に飲まれており、なんと有効成分は石膏。
オフィスが乾燥して喉を傷めやすい冬場などに職場に持っていくと価値あるお土産になるかもしれません。
効果はともあれ見た目(パッケージ)と有効成分のインパクト、そして愛され度を考えて上位にしています。価格は1本30~50円程度です。
【2位】キランティ(Kiranti)

こちらもジャムウの一種で、コンビニやスーパーで簡単に買うことができます(1本40~50円程度)。
コンセプトが非常にユニークで、なんと「生理痛がつらい時に飲むドリンク」です。
筆者は男性ですが、在住の日本人女性から教えていただきました。
アジアで栽培されているタマリンドという植物、そしてウコンがミックスされています。
インドネシアでは伝統的に飲まれているタイプのドリンクであり、効果もなかなかあるようです。
日本では珍しく、且つインドネシアらしいジャムウドリンクとうことで上位にしています。
【1位】トラックアンギン(Tolak Angin)

最後はインドネシアを代表する国民的ジャムウです。
トラックアンギンは風邪のひきはじめや体が冷えてしまった時に飲むジャムウ。
常備薬ならぬ常備ジャムウ的な位置づけで、ストックしてある家庭も多いです。
効果もさながら、なんといっても味が強烈。
複数のハーブが配合が生み出すその強烈な苦味と胃から上がってくる後味は体調の悪さを吹き飛ばしてくれること間違いないでしょう(でも、味だけじゃなくて普通に効く!という現地日本人も多いです)。
青汁と一緒で、飲むと気合が入ります。
通常版に加え、いくつかの味を変えたバージョンがあります。
高いものではなく、バラでも売っているので複数買ってみても面白いでしょう。
薬局に行かずともコンビニで売っています。
最後に
インドネシアに初めて訪れた際のお土産はコーヒーやチョコレートがわかりやすく、相手を選ばないので最適です。
ただ、出張で何度も訪れている場合は普通のお土産も飽きられますし、土産屋や空港で毎回買うのもコスト的に馬鹿らしくなってきます。
そのような時は地元のスーパーなどに立ち寄り、今回リストアップしたような日常的アイテムを探索してみるのもよいでしょう。
もちろん、出張者だけではなく、ユニークなお土産を求める旅行者の方も。
インドネシアの場合は大き目のショッピングモールに行けばだいたいスーパーマーケットが入っています。
ぜひ時間を見つけて超ローカルなお土産探しを楽しんでみてください。