いざインドネシアに住むぞ!となった際に一番最初に気になるのは「病気」ではないでしょうか。予防接種を日本で受けていたとしても、破傷風やら肝炎やらの感染リスクはあるといえばあります。
ただ、実際に生活してみると「注意しておけば避けられる病気」というのはそこまで実害を及ぼしません。
もっとも恐ろしいなと思うのは「無意識のうちに害を及ぼす生活習慣的な症状」です。
今回はジャカルタで新生活を開始した方に捧げる、日々の健康管理でぜひ注意して欲しい生活習慣の罠を記載します。
実際に筆者が生活して「健康診断で数字に出た」もしくは「実感として害を感じている」項目です。
これらの害は気づかぬうちにどんどん蓄積していくので早めに習慣を変えて健康維持に役立ててください。
本記事の目次
体が重たくなる!慢性野菜不足

海外に出た瞬間にまず感じるのは日本の食生活のすばらしさ。
安くて美味い!ということももちろんあるのですが、特筆すべきは「栄養バランス」です。
どれだけ「食の欧米化」や「ファストフードの蔓延」が進んでいたとしても、なんだかんだで日本にいたころは「新鮮な野菜」を摂る機会が多かった。
インドネシア人は日本人と比べてほとんど野菜を食べません。インドネシア料理を食べると野菜が「付け合わせ」的にお皿に出てくることは出てきますが、ごく少量でレパートリーも少ないんですね(レタス一枚に大味のキュウリスライス2枚、とか)。
ガドガドと呼ばれる「茹で野菜のピーナッツソース和え」がインドネシア人にとってのサラダなんですが、茹で野菜なので栄養素が出ちゃってる感は否めない。
生活圏内に「生野菜」を安全に出すお店を見つけておくことを強くおすすめします。品目の多さを考えると日系か欧米の外資系レストランがおすすめです。最近だと日系のコンビニでもサラダを置くようになりましたが、鮮度管理にはまだ不安が残ります(しなしなになっていることも多々)。
がっつりとサラダを食べると体が「ふわーっ」と軽くなるのを感じられます(それだけ慢性的な野菜不足ということです)。また、サラダが食べられない日はサプリメントで補給しておくとよいでしょう。
味がわからなくなる!?科学調味料づけ

インドネシア料理は最初は美味しいと感じますが、次第に飽きがきます。
幼少期に日本人として形成された味覚の問題もありますが、インドネシア料理の味の方向性ってどれもだいたい同じで幅が無いことも原因だと思います。
で、この味の方向性が一緒というのはインドネシア料理自体の問題以上に「化学調味料」の問題が大きいと筆者は考えています。
一般のインドネシア人が食べる「屋台」や「食堂」でご飯を食べるとスープだろうが炒め物だろうが大量の白い粉を投下するのを見かけます。
塩や砂糖にしては入れ過ぎな量の白い粉……これらはすべて「MSG(うまみ調味料)」です。ちなみに家庭料理でもMSG依存度がめちゃめちゃ高いです。
「MSG」が体に悪影響を及ぼすのかどうか、という議論は置いておいて(昔は体調崩す!とか言われてましたが最近だと害はないという説が一般的)、あれだけ大量のMSGまみれの料理を毎日食べていると「味音痴」になります。
最近の日本の子供は「日本古来の和食の味よりも科学調味料づけのファストフードの方が美味しいと感じる」なんて話を聞きますが、そんな日本の環境をはるかに超えるMSGワールド。
味覚形成された後でも舌がマヒする可能性は多々あります。実際に筆者も最近日本の友人と比べて舌がおおざっぱになってきた感があります……もっと日本帰ってバランスとらないとまずい。
小手先ですが「インドネシア料理ばっかり食べない」、「No MSG!のお店をできるだけ選ぶようにする(最近増えてる)」などで多少は気を付けることが可能です。一番いいのは自炊することでしょうね。
血糖値が緩やかに上昇!糖尿病予備群

これは実際に健康診断で数字に出てしまった話です。
いまさら事細かに述べることもないのですがインドネシア人というのはとにかく「甘党」です。お茶も甘い!コーヒーも甘い!お菓子も甘い!ドーナッツやケーキなんかは甘みで何重にもコーティングされていたりします。
筆者も気を付けてはいたのですが、なんと健康診断で「糖」の数値だけが「ぽこっ」と上昇してしまいました(他の数値は正常)。インドネシアの知人と会うと付き合いで甘味を食べることもあったので、知らないうちに蓄積したのでしょうね……。
あとは微妙に甘いお茶や、ファストフードを買った時についつい頼んでしまう「スプライト」とかがボディブローのように効いたのでしょう(だって爽健美茶がないんだもの)。
甘いものは意識して控える、あとお店では「水」か「エステタワール(無糖茶)」を飲むことに徹しましょう。
気づいたら足がホッソリ!歩行不足

ジャカルタは「車」と「バイク」が中心の社会で、歩くことはほとんどありません。そもそも歩く場所が無い。
最初こそ「タクシーも安いし、楽ちんでいいな」なんて思っていましたが、一年も経つころには体に変化が現れます。
ある日風呂上りにマジっと足を見てみると、まさに「ゴボウ」のようなほっそい足が二本。
10代のころはスリムパンツを履きこなすために筆者も自ら足にサランラップを巻いてダイエットなどしていたものですが、男30半ばにもなるとそんな細い脚はいらないのです。
しかも、健康的なスリムな細さではなく、「病的」に筋肉がこそげ落ちた足になります(あれ?入院してた?みたいな)。
これってけっこう実害がありまして、たまに東京に一時帰国した時など駅ナカの移動や階段昇降に足が追いついていかなくなります。思えば東京でサラリーマンをやっていた時代はとにかく歩いた歩いた。東京の会社員は世界中でも稀なほど歩いているんじゃないですかね?
話戻しまして、足が細くなるのは動物としてピンチです。捕食者に襲われた時に逃げられないし。
走りましょう。もしくはヒンズースクワットを習慣化しましょう。
カーフリーデーもおすすめです。
▶ジャカルタのカーフリーデーで運動不足解消を!いまさら聞けないカーフリーデー
気づいたらお腹がポッコリ!カロリー摂取過多

インドネシアのソウルフードは「揚げ物」です。日々の生活で「ゴレンガン」と呼ばれる揚げ物類を目にしない日はないでしょう。
また、ナシゴレンなどの炒め物でもけっこうな量の油を投下して炒めまくります。
殺菌の意味も込めて高温でガンガン調理しておけばOK的な感覚もあるのでしょう。
いくら日本人といえども毎日日本食を食べていたら財布が悲鳴をあげるので、これらの食事も摂ることになります(ゴレンガンはしかも美味いんですね)。
当然ですが摂った油はそのまま脂となり、見事に腹回りにストックされていきます。
これが上述の歩行不足と混ざるとどうなるか……?
そう、足が細いデブ、というモンスターが生まれます。
筆者の知り合いにも若くして「ET」みたいな気持ち悪い体になった人もいます。すでに妻子持ちだったのはせめてもの救いでしょう。
対策としては、運動をしつつ「揚げ物を控える」しかない。
ゴレンガンは一日適量をほどほどにしましょう。
最後に
海外で病気になると言葉の問題やら費用の問題やらでいろいろと面倒です。
一番よいのは病気にならないこと。日々の小さな積み重ねで大病を防ぎましょう。