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執筆者: jakameshi

プロに聞く!はじめてのインドネシア人材採用で企業が気を付けるべきこと

2018/06/04

インドネシアで事業を展開する場合、ほとんどのケースでインドネシア人現地スタッフを採用することになるでしょう。

ところが、インドネシアと日本では就職に対する考え方も習慣も異なるため、一口に「人材採用」と言っても非常に難易度が高いのも事実です。

日本と同じ感覚で進めると痛い目見ます(経験済)。

今回の記事ではどちらかというと「これからインドネシア人採用を考えている企業」を想定し、インドネシア人の人材採用に関する基本的な傾向や注意点をまとめてみます。

とはいえ素人話では説得力も無いので、今回はインドネシアの人事関連サービスを手広く手掛けるフジビジャック(PT. Fuji Bijak Prestasi)の石久保さん(石)&リクルーターのジャスミンさん(ジャ)にお話しを伺います。

インドネシアと日本の違い

ーお時間ありがとうございます。今回は「インドネシアの人材採用ってどんな感じなんですか?」という初心者の方に向けて情報をまとめていければと思っております。ちなみにあとできっちり貴社のアピールしていただいて構いません。

(石&ジャ)どうぞよろしくお願いします。持てる知識の範囲でお役に立てれば嬉しいです。

営業担当の石久保さん

リクルーターのジャスミンさん

ーまず、基本として日本とインドネシアで比較した際、インドネシアの人材採用で特に日本と異なる点はどこでしょう?

(石)日本との違いを考える際には「人材のソフト面」「仕組みや制度のハード面」で考えるとわかりやすいかと思います。

まず「人材のソフト面」。広く認識されていることですが何と言っても一社で働く期間が短いということが挙げられます。インドネシアの方は、転職を重ねてキャリアアップをしていくのが一般的です。そのため日本のように長く1つの会社に勤めるという考えは少ないと感じます。欧米型とも呼べるかもしれません。

次に「仕組みや制度のハード面」。インドネシアの法律では、会社が定めた試用期間を終えたら正社員にするかしないかの判断をしなければいけません。正社員になってから突然解雇するのは非常に面倒な為に、試用期間中にその人物についてしっかりと判断する必要があります。それ以外にも労働法については注意すべき点がありますが、話すと長くなるのでこの場では控えます。

 

ー労働法について知りたい方は個別にお問合せください(笑) 話戻します。「人が定着しない」というのはインドネシアあるあるですよね。ちなみに、商売柄お客様から様々なケースを聞くかと思うんですが、インドネシア人が辞めてしまう理由で最も多いものは何ですか?

(石)辞められる方の中にはいろいろな理由を並べる人もいますが、とどのつまりは「今、在籍している企業よりも給料が高い会社から内定をもらった」という理由に尽きます。

 

ーですよね。私もインドネシア人の知り合いが結構いますが、転職する場合「キャリア」や「スキル」というよりは「目の前の給与」が理由の場合がほとんどですね。

(石)そうですね。また、キャリアやスキル以外の話でも「文化や雰囲気が合っている」と言いながら実は給与理由で長く働いている場合もあります。逆に文化が合っていて問題なく就業していても、高い給与提示をもらって「サッ」といなくなってしまう人もいます。

 

インドネシアで人材採用を成功させるコツは?

ーどこの企業も頭を悩ませていると思いますが、ずばりインドネシア人の採用で、「良い人」を「長く雇用する」ためにはどうすればよいでしょうか?

(石)難問ですね(笑) まずは「ミスマッチを無くすこと」、次に採用後の「人事としての運用と仕組み」が大切かと思います。

 

ーもう少し詳しく聞きたいです。

(石)ミスマッチを防ぐためには企業側が人材要件をきっちりと固めるのはもちろんのこと、人材をしっかりと見極めなければなりません。特にインドネシアで注意すべき点は「具体的な仕事内容」、「退職理由」、そして「経歴詐称の可能性」です。

 

ー経歴詐称…もはやレジュメ(履歴書)が役に立たない(笑)

(石)特に経理部門の採用の場合は慎重になった方が良いでしょうね。インドネシアでは着服や横流しも少なくありません。

 

ーむしろ多いですよね、知人の会社でもありましたよ。しかもインドネシア人だけの会社で。

(石)うーん、多いかもしれないですね。ネガティブな理由で前職を辞めた場合嘘の経歴を書いてくることもあります。また、自分を大きく見せるために経歴を捏造する場合もあります。まぁほとんどの場合詳しく聞き詰めるとボロが出て「怪しい」となります。

(ジャ)大きく見せるのはインドネシア人全体的な傾向としてあります。少し引いてみるくらいがちょうど良いくらいです。

 

ーなるほど。採用後の「人事としての運用と仕組み」についてはいかがでしょう?

(石)面接前と採用後とで人物の態度が変わっていないかどうか?また実際に面接で話していた実務レベルが採用後にできているかどうか?の確認は定期的にされた方がよろしいかと思います。放置しておくとまったく活躍していなかった、という話も少なくないです。

 

ー私も過去にありました。面接時に話していたスキルがまったく無く、他スタッフとの間にものすごい不協和音が鳴り響いていました。そのスタッフが来ると職場の会話と仕事が止まる…と言う。

(石)それを防ぐための試用期間ですので、しっかりと見極めないといけませんね。本採用してから退職勧告するのは一苦労です。

 

ー他にはいかがですか?

(石)これは私たちがコントロールできる話ではないですが、段階的・定期的に上昇する報酬制度を導入するのも効果的です。ただでさえ最低賃金が年々上昇していく中、給与に変化が無ければ不満が募っていくのは避けられません。

 

ミスマッチを防ぐ工夫

ー報酬制度が長期雇用に対しては一番インパクトがある気がしますね(笑)。御社がコントロールできる範囲でいくと、たとえば御社の人材紹介ではミスマッチを防ぐために何かされているんですか?

(ジャ)はい、必ずインドネシア人によるご紹介前面談を実施しています。

 

ー石久保さんじゃないんですね

(石)そうですね(笑)。インドネシア人同士にしているのには理由がありまして。

前提として、ご紹介前面談には2つの役割があります。1つは「要件チェック」でクライアント様の希望条件に適しているかどうかを確認します。

もう1つは「虚偽の見極め」です。先ほど経歴詐称が多いという話をしましたが、詐称まで行かなくても「話を盛ってくる」人が多いのがインドネシア人です。この辺りの見極めは正直インドネシア人同士でなければ難しいです。

 

ー「インドネシア人同士」が必要なのはよくわかります。私たち日本人には見えない線引きが彼らには見えるんですよね。

(石)そうなんです。逆の立場で考えれば当然かもしれません。インドネシア人から見たら日本人も一色単に映るみたいですから。

(ジャ)確かに、日本の方を細かく判断するのは私には難しいです(笑)。でも、インドネシア人ならわかります。

 

ーちなみに、御社自体のスタッフ採用ではミスマッチは少ないのでしょうか?

(石)いい質問ですね(笑)。少ない、と思っています。

 

ーガツンと言い切らないところに誠実さを感じますね(笑)。

 

最初の人材採用で気を付けるべきこと

ーそろそろ締めの質問ですが、特に「初めての人材採用」を想定した際に企業側が気を付けるべきことは何でしょう?

(石)細かいことを離せばキリが無いのですが、一つにまとめるとすれば「妥協をしない」ことです。

 

ー妥協…ですか?

(石)はい。採用活動全般に共通することでもあるのですが、特に最初の人材採用の場合「急務」で「期限が迫っている」場合がほとんどですよね?

 

ーそうですね。事務所や工場の営業開始日が決まっていますからね。私も最初の採用の時は面接は一発、面接後2日で必要人数全部に内定出しました。

(石)まさにそれです(笑)。

それに期限に加え、担当者が他業務で忙殺されている場合も多いです。そのため「迷いはあるけどGO」の判断が下される場合も多い。ただ、もし進言できるのであれば、仮に人材採用でその候補者を採用するかどうか迷われた際は、迷われる原因が解決するまで採用活動を続けるか、その候補者ときっちりと話し合いをされた方がよろしいかと思います。

 

ー期限を言い訳にするな、と。

(石)実際期限は待ってくれるものではないのですが、少しでも候補者とじっくり話したり、一人でも多くの候補者と話す機会を作っていただければと思います。確かに難易度は高いのですが、探していけばどこかに「ピタリ」とお互いにマッチする人材がいるものです。また、その際に当社のような人材紹介会社に頼っていただければ嬉しい限りです。

 

ーなるほど。妥協をしない…。インドネシアでは難しいけど大事なことかもしれませんね。といううちに時間が!本日はどうもありがとうございました。

(石)はい。特に当社では「妥協をせずに探し切る」よう全力を尽くしています。もし人材採用に課題があればいつでもご相談いただければと思います。

取材協力
企業名 PT. Fuji Bijak Prestasi
住所 Summitmas 1. 10th Floor, Jl. Jend. Sudirman Kav. 61-62, Jakarta Selatan
連絡先 info@fujibijak.co.id (日本語可)
Web http://www.fujibijak.co.id/site/

 

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