旅の醍醐味と言えばその土地の食を楽しむことでしょう。
ジャカルタにはインドネシア全土から人とモノが集まっています。食事はその典型的なもので、ジャカルタではインドネシア中の料理や名物が食べられると言っても過言ではないでしょう。
この記事ではインドネシア料理の特徴から、代表的な料理、さらに管理人が個人的に日本人へおすすめしたい料理をご紹介しています。おすすめのお店が管理人内で明確な場合はお店情報もご紹介します。
インドネシア料理の特徴
インドネシアは300以上の民族から成る多民族国家です。民族の分だけ文化があり、文化の分だけ料理があります。
料理のカテゴリーが少ないため一見するとすべて同じような料理に映るかもしれませんが、食べ続けていると細かい違いがわかってきます。
インドネシア料理の大きな特徴は2つあり、1つは「揚げ物」が多いことです。
素材をシンプルに揚げて食べることもありますし、炒め物やスープに入っている食材自体も一度揚げたものを使うことが多いです。
旅行者の方は一気に食べ過ぎると胃もたれが起こることもあるので気を付けましょう。
もう1つの特徴は「香辛料」です。
古くから香辛料貿易で栄えた国であり、胡椒を始め様々な香辛料が使われています。家庭料理でも本格的なものになると生の香辛料をすり潰すところから始めたりします。
激辛のチリが使われることもあり、あまり辛い料理を食べると慣れない日本人はお腹の調子を崩すこともあります(食あたりではなく、辛さにダメージを受ける)。
チリの食べ過ぎにはご注意ください。
インドネシア料理の名前
インドネシア料理の名前はシンプルで、だいたいが「食材名+調理法(もしくは調理法+食材名)」となっています。
調理法については、ゴレン(Goreng)とあれば炒め物か揚げ物、バカール(Bakar)とあればグリルとなります。
調理名の代わりに料理名が付くこともあります。例えば、ブブール(Bubur)とあればおかゆ、サテ(Sate)とあれば串焼き、などです。
食材名は代表的なものだとアヤム(Ayam)が鶏肉で、サピ(Sapi)は牛肉、カンビン(Kambing)は山羊の肉、などです。
最低限調理法と食材名だけ覚えておけば、どのような料理が出てくるかは予測できます。
代表的なインドネシア料理10選
一口にインドネシア料理と言っても様々で、細かくご紹介すると本が一冊書けてしまいます。
ここでは普段インドネシア人が食べているもので、且つ日本人にもわかりやすいものを10品厳選してご紹介します。
インドネシアレストランへ入ればどこのお店でも見かけることができる料理たちです。
これを食べておけば、日本に帰った時に「インドネシア料理食べてきたよ!」と言えます。
ナシゴレン(Nasi Goreng)
日本でもアジア料理屋などで見かけることがあるかと思いますが、実はナシゴレンはインドネシアの代表的な国民食です。
「ナシ」はご飯で、「ゴレン」は揚げ物・炒め物。つまりインドネシア風のチャーハンです。
街中の屋台やカフェ、レストラン、あらゆるところで食べられます。
管理人が個人的にインドネシアの知人と「明日世界が終わるとしたら何を食べたい?」と話していたら、けっこうな数のインドネシア人が「ナシゴレン」と回答しました。
日本で言えば「ご飯と味噌汁」。インドネシア人にとってナシゴレンは本当に日常の食事です。
ミーゴレン(Mie Goreng)
ナシゴレンに匹敵する代表的料理がミーゴレンです。
「ミー」は麺、ゴレンは「揚げ物・炒め物」。つまりインドネシア風のやきそばです。
こちらもナシゴレンと同じく街中の屋台、カフェ、レストランで見つけることができます。
ソトアヤム(Soto Ayam)
「ソト」とはスープ料理の一種で、あらかじめ仕込んでおいた具材を食べる直前にミックスしてスープにする形式の料理を指します。
インドネシアの全国で食べられている調理スタイルで、「ソト●●」という形で様々な地方のソトが存在します(●●には地方名が入ることもある)。
全体的に甘辛い味付けが多いインドネシア料理の中ではめずらしく、塩気が前面に出ており日本人の舌にもよく合います。
その中でもアヤム(鶏肉)を使ったソトは最もポピュラーな代表料理です。
サテアヤム(Sate Ayam)
サテは串焼きのことを意味しており、アヤムは鶏肉です。つまりインドネシア風の焼き鳥です。
インドネシアのサテアヤムは日本の焼き鳥とは異なり、「甘いピーナッツソース」をつけて食べます。
小腹がすいた時のオヤツとしても食されますし、食事としても食されます。多くの場合「ロントン」と呼ばれる「ライスケーキ」がついてきます。
ガドガド(Gado Gado)
ガドガドはインドネシア人にとってのサラダのような位置づけで、「茹で野菜のピーナッツソース和え」のことを指します。
味つけは甘めで、日本のサラダとは一味も二味も違います。外国人が食べると非常に好みが分かれる料理の一つでもあります。
もしガドガドをメインに食事をしたいということえあれば、ガドガドボプロというお店が有名です。
バクソ(Bakso)
バクソは一言で言ってしまえば「肉団子」です。基本は牛肉と香辛料から作られますが、お魚や鶏肉で作られるものもあります。
少量の野菜や揚げ物と一緒にスープに浮かべ、好みに応じてチリソースやケチャップマニスと呼ばれる甘いソースをかけて食べます。
日本で食べるミートボールよりも弾力があり、好きな人はとことん大好きになります。
安いバクソだと骨が残っており、歯を傷めることがあるので勢いよくがっつき過ぎないように気を付けてください。
アヤムゴレン(Ayam Goreng)
イスラム教が主体でありながらも他宗教が共存するインドネシアでは鶏肉の消費量が非常に大きいです。
イスラム教では豚が禁忌、ヒンドゥー教では牛が禁忌となっており、鶏肉は全員が何の縛りも無しに食べられる中心的な食材となっているのです。
様々な料理に使われる鶏肉ですが、中でも代表的な調理法がシンプルに超高温の油で揚げるアヤムゴレンです。
アヤムゴレンにも「アヤムゴレン●●」と味付けのレパートリーがありますが、まずはシンプルに「アヤムゴレン」を食べてみるのが良いでしょう。
少しお値段は張りますが、アヤムゴレンで有名なアヤムゴレンスハルティ(Ayam goreng suharti)をご紹介しておきます。
市内に複数店舗があるのでGoogleマップなどで検索してみてください。
アヤムバカール(Ayam Bakar)
アヤムバカールは「鶏肉のグリル」です。
調理法はお店によりますが、網で炭焼きにしたり、挟み込むようなフライパンで挟み焼きにするお店もあります。
管理人おすすめのお店がありますが、ローカル住宅街深部の屋台のためご紹介はいたしません(地図で示せません)。
テンペ(Tempe)
テンペは料理ではなくて食材名で、納豆と同じく大豆から作られる発酵食品です。
テンペ菌と呼ばれる酵母菌を使い、大きなブロック上に固まった大豆をハムのようにスライスしたり、細かく切ったりして食します。
日本人の舌にもなじみやすい味で、シンプルに油で揚げた「テンペゴレン」やフライパンで焼いた「テンペバカール」などがおすすめです。
管理人おススメのインドネシア料理5選
すでに紹介した10選と比べるとポピュラーではありませんが、見かけることがあればぜび食べて頂きたい料理を5つ厳選しました。
ナシリウェット(Nasi Liwet)
ナシリウェットはスンダ地方の代表料理で、蒸しご飯です。
インドネシア料理は全般的にソースで味を後から付け加える料理が多いのですが、ナシリウェットは素朴な素材の味を活かした珍しい料理です。
バナナなどの皮でご飯を包み、レモングラスなどのハーブとともに食材とご飯をココナッツミルクで蒸しあげます。
ココナッツを使っているので南国テイストではあるのですが、日本料理と通ずるところもあるのか、どこか懐かしくてほっとする味です。
モール内のカフェなどでも食べれますが、おすすめは下記のスンダ料理レストランです。
▶ジャカルタでじゃこ飯!スンダ料理のワルンダウン(Warung Daun)
レンダン(Rendang)
レンダン(もしくはルンダン)は、インドネシアの食文化を代表するエリアのパダン地方で食される料理です。
牛肉をココナッツミルクで数時間、時には十時間以上煮込みます。
非常に手がかかる料理でありインドネシアではやや高級料理とされています。
本当に美味しいレンダンは日本に持ち帰りたいほど美味です。
味の差も激しい料理なので、できればしっかりとしたレストランで本物のレンダンを食べたいものです。
ソトブタウィ(Soto Betawi)
ソトには様々な種類がありますが、その中でも特に女性におすすめしたいのでソトブタウィです。
ココナッツミルクを用いたソトの一つです。
細かい話は省略しますが、ブタウィとは植民地時代のジャカルタ労働者層のことを指していた言葉です。
労働者が食べていた安い料理じゃないの?と思われるかもしれませんが、意外や意外、味はまろやかで繊細。
まろやかな口当たりと塩気が同居し、不思議と飽きのこない味となっています。
グライサピ(Gulai Sapi)
グライとは複数の香辛料を使って食材を煮込む、インドネシア風カレーのような料理です。
これがまた奥が深い料理となっており、香辛料の違いによって味の奥深さが変わります。
滞在初期のころは「インドネシア料理の味って単調だな」と思っていたのですが、そんな管理人に「インドネシア料理の奥深さ」を教えてくれた料理でもあります。
街中のレストランで見かけること少ないかもしれませんが、もし出会ったら一食の価値はあります。
サテパダン(Sate Padang)
サテパダンはパダン地方で食されるサテの名称で、アヤム(鶏肉)ではなくサピ(牛肉)を使った串料理です。
サテアヤムとは異なり、甘いピーナッツソースは使いません。牛をベースに調理されたトロトロのスープソースをかけて食べます。
味付けはピリッと辛めで、これが日本人の舌にもマッチします。
パダン料理屋にも置いてはありますが、できればサテパダンをメインに商売しているようなお店で食べたいものです。
屋台のため少しハードルが高いですが、ジャカルタで最も美味いサテパダンはアジョラモンです。
▶サテの真骨頂、サテ・パダン・アジョラモン(Sate Padang Ajo Ramon)
管理人おススメのインドネシアスイーツ5選
せっかくなのでインドネシアのスイーツもご紹介しておきます。
スイーツに関しても食事ものと同じく多数に広がっていますが、ここではインドネシアらしさがありながら日本人の舌にも合いそうなものを5つ厳選してご紹介します。
マルタバッ(Martabak)
インドネシアのマルタバッは甘いもの(マルタバッ・マニス)と塩辛いもの(マルタバッ・トゥロー)の2つに分かれます。
両方とも美味しいのですが、特におススメしたいのは甘い方のマルタバッ・マニスです。
モチモチっとしたパンケーキですが、特徴的なのはその巨大さと、これでもかというくらいかけられるソースの量。
街中の屋台や路面店で買うのが一般的ですが、ショッピングモール内に小さなお店が入っていたりもします。
ピサンゴレン(Pisan Goreng)
ピサンとはバナナのことで、ピサンゴレンは「バナナ揚げ」の名称です。
インドネシアでは日本のように完全に熟したバナナはあまり出回っておらず、熟す前のバナナを調理したりします。
フルーツと穀物の間のような感覚で少し不思議な味がします。
アボカドコーヒー(Avocado Coffee)
ジャカルタではアボカドはジュースとして飲まれます。
さらにコーヒーとミックスしたのがアボカドコーヒーです。
アボカドのコクが意外にもコーヒーとマッチし、絶妙なスイーツドリンクになっています。
お店によってはアボカドのエグみが出てしまう場合もあるので、大手のカフェチェーン店で体験するのが良いでしょう。
エクセルソというチェーン店のアボカドコーヒーが有名です。
エスチャンプル(Es Campur)
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エスとは「氷」や「冷たい」を指す言葉で、チャンプルは「かき混ぜる」という意味です。
エスチャンプルとは「かき氷」です。
インドネシア風の代表的なエスチャンプルは現地のカットフルーツをふんだんに使うのが一般的。
フルーツを一つ一つ食べるのも大変なため、一度に南国の味覚を味わえるデザートしておすすめです。
ロンデ(Ronde)
ロンデは白玉と生姜を使った「生姜湯」のような温かいデザートです。
インドネシア人は生姜が大好きというわけではありませんが、ところどころでスパイスとして使う文化があります。
ロンデは生姜を非常に上手に使ったデザートで、とても優しい味です。
なかなか見つけることが難しいデザートではありますが、もし見かけることがあればトライしてみてください。
まとめ
多くを紹介しすぎても参考とならないため、独断を交えながらですが厳選してご紹介してみました。
もちろんここでご紹介した以外にも美味しい料理はあります。
まずはとっかかりとしてご紹介した料理を試しつつ、体験の幅を広げてみてください。