筆者は行ってみたい所や気になる所があればGoogle Mapに記録しています。行くと「お気に入り」みたいに変更してログを溜めているのですが、いくつか「ずーっと行けてないところ」という場所もあります。
その代表格がパサールイカン。Pasar Ikanですので俗に言う「魚市場」というやつです。
今回、ついにMR.K同行の元攻め込んできたので体験記事としてご紹介します。
本記事の目次
行くに行けなかったパサールイカン
ジャカルタ生活が始まった際、「おでかけできそうなスポット」を執拗に探したのは筆者だけではないはずです。
筆者は飲食関係のプロジェクトを走らせていたこともあり、初期は特に飲食店やローカルな市場を探しまわっていました。
その際にアンテナに引っかかったのが北の港湾地帯にあるパサールイカン。魚市場です。
Pasarとはインドネシアの地元民が買い物をするローカル市場のこと。ジャカルタ市内にも点在しており今でも地元民に愛されています。
筆者も初期、中心部のPasarには興味本位で訪れていましたが食肉系のPasarとなると衛生的にはかなり厳しい環境。熱帯の中、冷蔵庫無しで生鮮食品を扱うので中には「いや、それいっちゃってるでしょ」というものも正直売っています。
その「魚版」。
当時はインドネシア語が読めなかったので主に英語の情報を参照していましたが、先人達の感想を見ると
- とにかく臭くてやばい
- 臭くて耐え切れなかった
- 自国では嗅いだことのないレベルの臭いだ
というものばかり。
「北へはるばるおでかけして臭いだけで面白くなかったら微妙だなぁ」という心配が先に走り、結局行く機会を逃して今の今まで行けていなかった、というわけなのです。
で、先日当サイトにも寄稿いただいているMR.K氏と話してみると、なんと彼もタイミングを失して行けていない、と言うではないですか。
これは行くしかないね。
というわけで急遽週末弾丸で突っ込むことになったのです。
検索するとたくさん出てくるのでとりあえず全部行ってきた
特に誰かから情報を集めるわけでもなく、インドネシア風に行き当たりばったりで当日コタトゥアに集合(沿岸地域にあるということだけはお互いなんとなく知っていた)。
久しぶりに来た早朝のコタはすがすがしい。やっぱり観光地ですね。
と、今日はコタに来たわけではない。市場に行くのだ。
MR.Kと合流し、事前情報無しで検索すると、それらしいものがたくさん出てきました。
Ps. Ikan Luar Batangというところにピンが立ちましたが、それ以外にもあきらかにPasar Ikanという名称の場所が複数ある。
そりゃそうです。Pasar Ikanは「魚市場」という一般名詞ですから、たくさんの市場があって然り。
時間もあったので断片的な情報を元に複数を攻めこみました。素敵なシーフード体験を求めて…。
Muara Baru Fish Market
最初に突っ込んだのはMuara Baru Fish Marketという市場。日本人の間でも評判のお寿司屋さん、Sushi Masaの少し南にあります。
ジャカルタ中心地ではなかなか見ないような細~~い道をすり抜け、到着。
恐れていた臭いは…
これは確かに過去に嗅いだことのないレベル。
筆者は北国の漁港育ちで、シーズンになると町中が魚臭くなる、という日本でもかなりの「漁師町的環境」で育った人間です。
同級生の親父がロシア漁船に威嚇射撃される、など漁師とも近い生活をしていました。
そういう背景もありある程度の臭いは想定していたのですが、はるかに上を行っていました。
一瞬、これはやばい…帰ろかな、と思いましたがせっかく来たのでマスクで若干防御して中へ入ります。
中には巨大な魚が野ざらしに…。
市場というより釣り上げた魚を置いておくための倉庫みたいな雰囲気です。
走るネズミさん。餌には確かに困らないですね。
中では魚の解体を進めているエリアもあり、放置された魚の切れ端が恐ろしいことになっていました(写真は自粛して載せず)。
うーん、それにしてもGoogleで出てきた写真と雰囲気が違い過ぎるなー、とMR.Kさんと話していたのですがそれもそのはず。
中の人に聞いてみたところ「店は夜にならないと開かないよ」とのこと。
夜になると売り子も出てきて買ったり食べたりもできるそうですが、昼の姿からはまったく想像がつきませんでした。
どなたかMuara Baru Fish Marketの夜の姿をご存じの方はぜひ写真をご提供いただけると嬉しいです。
蛇足ですがこの市場のすぐ隣の区画では大工事が展開されており、Pasar Ikan Baruという観光客向け施設のようなものが建築されるそうです。
すぐ近くにはSushi Masaもありますし、綺麗な新施設が出来上がると少し盛り上がるのかもしれませんね。完成後に寿司がてら再訪してみたいところです。
Ps. Ikan Luar Batang
次に向かったのはPs. Ikan Luar Batangという市場。海洋博物館(Jakarta Maritime Museum)のすぐ北側にあります。
Pasar Ikanで検索するとこの市場にピンが立ち、一見ポピュラーな市場。日本人による過去の記事もいくつかありました。
だがしかし、
なんと現在ほぼ閉鎖
驚きすぎて写真撮影を忘れてしまったのですが、区画内へ入っても市場らしきものはもはやございません。
解体が進んでいるのか廃材も目立ち、中の人に聞くと「もう店なんて出てないよ」と一蹴。
皆様、ご注意ください。
Ps. Ikan Luar Batangは無くなったようです。
Pasar Ikan Muara Angke
Ps. Ikan Luar Batangの区画内にいたインドネシア人にも確認をし、朝から営業して現在も変わらず楽しめるのがPasar Ikan Muara Angkeという市場。
Muara Angkeで探すと上と左に2つのスポット情報が出てきますが、市場は左側の方です。
区画内ではまずおっちゃんたちが露天商スタイルでシーフードの即売会をやっています。
扱う種類もかなり豊富で、こんな巨大な海老も。
ちなみに一番でかい海老で2.5jutaなんだとか。交渉前のだいぶ高めの価格かと思います(買う気が無いので交渉はせず)。
大量の発砲スチロール。大量に買う場合はもらえそうですね。
少し奥へ進むとやはり倉庫的なスペースがあります。客が訪れているからでしょうか、Muara Baruよりも整頓されておりそれほど臭気も気になりませんでした(もはや鼻が慣れたという説もあり)。
Pasar Ikan Muara Angkeエリアの中にあるIkan Bakar Sinar Muara Angke
せっかく来たので新鮮な魚介を食べたい!ということで中の人から教えてもらったのがこちらのお店。
Kantinのようなスペースがあり、他にもお店が並びます。雰囲気としては田舎の海の家的な感じ(?)でしょうか。
ヤシ殻でその場Bakar。
おそらく他のお店も同じスタイルだと予想されますが、Ikan Bakar Sinar Muara Angkeではメニューから食材と調理法を選ぶスタイル。価格は載っておらず、その日によって変動するのでしょう。
素材が新鮮なこともあるのでしょうが、これがまた実に美味しい!
イカ(Cumi)の炒め物はたっぷり入ってRp. 55,000。味付けがかなり素敵です。
こちらの蟹(Kepiting)はRp. 100,000。
こちらの鯛(kakap)はRp.130,000。この鯛はまさに素材勝負です。
そしてMR.Kが持ち込んだPRICELESSなビンタンビールと併せるとこれはまた壮観に。
ちなみに、当然のごとくビールはもちろん他のお酒は置いておりません。ただ、MR.K氏が確認してくれた情報によれば「事前に店に連絡してくれれば買って冷やしておくよ」とのこと。
連絡先はこちらの写真をご参照ください。
売値はわかりませんが、このシーフードに冷えたビールを合わせられるのであればその価値は計り知れないですよ…。
ちなみに、焼いた鯛をお土産で持ち帰りましたが、おすすめしません。味が変わっちゃって感動が薄れました。やはりシーフードは獲れたての焼きたてに限る!
Pasar Ikan Muara Angkeが安全パイ
ネット上の情報を見る限りは夜のMuara Baru Fish Marketも盛り上げってそうなのですが、夜だと怖くて行けない人もいるかと思います。
実際に食を楽しんだ、ということもありますが、もし漁市場でシーフードを楽しみたいのであれば「Pasar Ikan Muara Angkeに酒持ち込み(もしくはビール事前手配)」をおすすめします。
ちなみに、当然ながらこの辺りタクシーはほとんど通っていません。できれば車は手配した上で訪れてください。
車が無い人はタクシーを待たせておくのが良いのでしょうがやはり少し高くつきます。一応GrabやUberが使えることは確認しています。
状況に合わせてうまく移動手段は確保してください。