ジャカルタの街は日本の都市のように電車と徒歩で移動する作りにはなっていません。車かバイクを使って移動することになります。
市内を走るMRT(地下鉄)は日系企業旗振りの元で2018年に開通予定ですが、一部区間のみなのでまだまだ車社会は続くでしょう。
基本的に旅行者はタクシーでの移動となりますが、余力があれば他の乗り物も試してみるのも旅の思い出となるでしょう。
今回の記事ではジャカルタ市民も使う公共の乗り物をご紹介します。
本記事の目次
乗合ワゴンのアンコット(ANGKOT)

ジャカルタだけではなくインドネシア国民の足として使われるのがアンコット(もしくはアンコタ)と呼ばれる乗合ワゴンです。
軽ワゴンの後部座席とトランクを改造してつなげたような小さな車内に多い時で10名以上の客を載せて走ります。
アンコットはスタート地点と目的地だけが決まっており、乗る時はタクシーのようにつかまえて、降りる時もルート上の任意の場所で意思を伝えて降ります。
料金は距離によって異なりますが、だいたい4,000~6,000 IDR (40~60円弱)で、降りる時に運転手に払います。
自動車とバイクが入り乱れる道路の各所で乗降することになるので注意をしないと事故になることもあります。
また、車内にはスリが紛れ込むこともあります。
基本的に旅行者にはおすすめしませんが、もし利用する場合はくれぐれもご注意ください。
複数ある乗合バス

アンコットとバスの中間くらいにあるのが乗合バスたちです。運営会社はいくつかあり、有名なものだと「コパジャ(KOPAJA)」や「メトロミニ(METRO MINI)」があります。
乗車運賃は移動距離に関係なく一律4,000 IDR (40円弱)で、コンドゥクトゥル(Kondektur)と呼ばれる運転手の補佐役がいる場合は彼らに、いない場合は降りる時に運転手に渡します。
アンコットを大きくしたようなもので、ルールは基本的に同じです。走っているミニバスを捕まえて、降りたい所で意思表示して降ります。
アンコットと異なりスペースが広いため、頻繁にパフォーマーが乗り込んでパフォーマンスを披露します。パフォーマーに支払う義務はありませんが、もし素敵だと感じた場合は少しチップをあげてもよいでしょう(素敵なパフォーマーは滅多にいないので期待しないでください)。
また、アンコットと同じくスリが現れることも多いのでご注意ください。
電車の代替、トランスジャカルタ(TRANS JAKARTA)

トランスジャカルタは道路の専用車線を走る大型バスです。
駅が用意されており、改札もあるので電車のような位置づけです。日本の電車のように優先席があり、女性専用車両もあります。

料金は一律で3,500 IDR (35円弱)ですが、現金取引ではなく、e-card を使います(日本のスイカやパスモと同じです)。
e-cardは駅構内で買うこともできますし、ショッピングモールなどのイベントストアなどでも購入できます。

ルートは完全に決められており、下記のサイトで確認できます。
事前にルートさえ把握しておけば旅行者でも乗れないことはありません。管理人も初めてジャカルタに来た時はトランスジャカルタでラグナン動物園まで行きました。
ただ、ここでも車内にスリが出ることがあるので荷物の管理にはご注意ください。現地市民もカバンは必ず前に持ってくる、などの自衛策を取っています。
移動速度は最速、オジェック(OJEK)

オジェックとはバイクタクシーのことで、ジャカルタで最も頻繁に使われる移動手段の一つです。
インドネシア全土にありますが、特に渋滞都市ジャカルタでは大活躍します。
少し前までの基本的な乗り方は、オジェック乗り場や路上で捕まえた上で、目的地を伝えて都度交渉という流れでした。

最近は「グラブ(Grab)」や「ゴジェック(GOJEK)」と呼ばれる配車アプリが浸透しており、アプリ経由で呼び出して乗りこなすのが主流となっています。
アプリが登場したことにより料金の不透明性や交通マナーも改善されてきました。
ただ、残念ながら配車アプリを使うためにはインドネシア国内のSIMカードが必要なため、旅行者にはややハードルが高いです。
上記の理由もあり旅行者で使う方はほとんど聞いたことはありませんが、実際に使いこなせると相当便利です。
オジェックを使う場合の難点が3つあります。
1つはオジェック客を狙ったひったくりです。
後方から、もしくは対向車線からバイクの2人組みが近づいてきて、すれ違い様にバッグをひったくるケースがあります。
荷物は必ず目の前に抱きかかえるようにしましょう。特に女性が狙われやすいです。
2つめの難点はヘルメットが衛生的ではないことです。
ヘルメットは不特定多数が使うためキレイとは決して言えません。そのためシャワーキャップの上から利用する女性もいます。
3つめの難点は、配車アプリを使わない場合は料金が事前交渉制となることです。
特に土地勘が無い旅行者の場合は料金をふっかけられる可能性が高いです。
だいたい近距離だと10,000~20,000 IDRが相場ですが50,000 IDRなど提示されることもあるでしょう。
それでも強い気持ちで交渉できる、もしくは多少高くても乗ってみたいという方は挑戦してみても良いかもしれません。
旅行者の足、タクシー

旅行者の足として最も活躍するのがタクシーです。空港についてから、街中の移動まで、さらにはホテルから空港へ向かう時までお世話になります。
電車が無いジャカルタではタクシーが無ければ街が成り立たないと言っても過言ではなく、数も非常に多いです。
市民に最も信頼され、頻繁に利用されている「ブルーバード(BLUE BIRD)」の初乗り料金が7,500 IDR (75円弱)で、その後3円程度刻みで上昇していきます。
感覚的には30分乗って500円、1時間乗って1,000円強の感覚です。
使い方は日本と同じく、タクシー乗り場か路上で捕まえて乗り込み、行き先を伝えて発進します。到着時にメーターにて料金を確認して支払ます。
日本のタクシーとは異なり細かいお釣りは出ません。必ず小さい紙幣を用意した上で乗りこむようにしたいところです。
最後に
いくつかご紹介しましたが、実際に旅行者が使うことになるのはタクシーです(※)。
タクシーの乗り方については下記の記事をご参照ください。
※配車アプリを使えばタクシー以外の交通手段もありますが、インドネシア携帯が必要なため旅行者には利用ハードルが高いです。そのため、本Webサイトではタクシーを推薦しています。