海外旅行や出張へ行くのであれば万が一のことを考え、海外旅行保険を準備しておかなければなりません。
この記事ではインドネシア旅行や出張、特にジャカルタにおける海外保険の必要性、クレジットカード付帯保険と個別海外旅行保険のどちらがよいか、などを記載してます。
本記事の目次
インドネシアの医療費は高い?
海外旅行保険の話をする前に、インドネシア旅行での保険の必要性を考えてみましょう。
保険に入る目的は万が一の事故や病気への対策です。インドネシアの医療費は日本の数倍になることがあります。
下記の表はインドネシアのバリと日本の医療費を簡単に比較したものです。
項目 インドネシア(バリ) 日本(参考) 初診料 7,100円 2,700円 病院部屋代
(1日当たり)①相部屋:65,300円
②個室:65,300円
③ICU:95,000円①17,000円
②20,000~50,000円
③87,600円盲腸手術の治療費 ①総費用:831,600~884,400円
②平均入院日数:3日①400,000円
②4~7日間骨折時の治療費
(橈骨末端閉鎖性骨折)66,000円 15,000円 引用:価格コム
実際に事故や病気になった場合の費用も見てみましょう。
事故状況 治療・救援費用保険金支払額(円) タクシ-乗車中に交通事故。
大腿骨骨折と診断され1日入院後、医師と看護師が付き添い帰国。3,150,498 帰国時の空港で頭痛・嘔吐・半身麻痺となり救急車で搬送。
脳梗塞と診断され15日間入院。家族が駆けつける。
医師・看護師が付き添い医療搬送。4,455,805 バスルームで滑って転倒し、足と腰を強打。
大腿骨頸部骨折と診断され33日間入院・手術。家族が駆けつける。
看護師が付き添い医療搬送。4,520,000 引用:価格コム
書きながら恐怖を覚えるほど医療費が高いです。日本国内のように国保が効かないということもありますが、日本の数倍は医療費がかかると言えます。
病院にかかるリスクはどれくらい?
一概には言えませんが、参考として外務省の情報を見てみます。
外務省はジャカルタでかかりやすい病気や怪我として下記の項目を挙げています。
(1)呼吸器系の病気
(2)下痢・胃腸炎
(3)虫刺症(蚊以外)
(4)結膜炎・角膜炎
(5)皮膚炎・皮膚アレルギー
(6)デング熱・チクングニヤ熱
(7)赤痢アメーバ症
(8)腸チフス
また、ホームページ内では外務省も海外保険は必要と警鐘を鳴らしています。
詳しくは外務省のホームページにてご確認ください。
保険会社の旅行保険か?クレジットカードの付帯保険か?
海外保険を用意する際に迷うのは、海外旅行保険(保険会社が独自に販売しているもの)に入るか、クレジットカードの付帯保険だけで挑むか、の選択肢でしょう。
海外旅行保険に入る場合は数千円の費用を支払わなければなりません。
一方クレジットカードの場合は持っているだけで追加費用を払わずに保険が付帯してきます。
年会費が無料のクレジットカードであれば海外保険も無料でついてきます。
結論から書くと、短期間の海外旅行であればクレジットカードについてくる付帯保険だけでカバー可能です。
保険会社の旅行保険メリットは必要か?
保険会社の旅行保険派の人たちがよく挙げるメリットとして、下記の項目があります。
- 死亡補償の充実
- 補償額の最大値
- キャッシュレス診療
一つ一つ見ていくと、クレジットカードの補償で十分な理由がわかります。
死亡補償の充実
保険会社派の方がもっともよく挙げるメリットが死亡補償の差です。特に「疾病死亡」の補償についてです。
疾病死亡とは旅行中の病気が原因で死亡した際の補償です。クレジットカードには事故死亡補償はついていますが、疾病死亡補償はついていません。
しかし、よく考えると死亡補償自体を旅行保険に求める必要があまりありません。なぜなら死亡後のことを考える立場にある人はそもそも「生命保険」に別個に入っているからです。
海外旅行で実際に必要になる補償は「疾病治療」や「傷害治療」、「携行品損害」などです。
それでも「いや、持病が悪化した場合のことが心配で…」という方はそもそも海外旅行へ行ってはいけません。
補償額の最大値
保険会社保険のメリットとして補償額の最大値が高いということがあります。
しかし、クレジットカードには「複数カードの補償を合算できる」という特徴があります。
例えば疾病治療の最大補償が100万円となっていて治療費が200万円かかった場合、最大補償100万円のクレジットカードをもう一枚持っていれば補償可能です。
事故死亡については合算できませんが(※)、上述の通り死亡時の保険は生命保険に頼るべきで、旅行保険に頼る項目ではありません。
※複数枚クレジットカードを持っていた場合、最大補償値が高い方の補償のみが適応されます。
キャッシュレス診療
キャッシュレス診療ができる、というのも保険会社保険のメリットとしてよく挙げられます。
ただ、最近のクレジットカードであれば年会費無料ものであっても現地キャッシュレス診療が受けられるものもあります。
事前にカード会社の海外サポートデスク経由で提携先の病院を紹介してもらう必要はありますが、ジャカルタのような大都市であれば問題なく使えます。
クレジットカード保険で気を付けるポイント
クレジットカード保険にも気を付けるべきポイントがあります。
次に挙げる項目は必ず確認するようにしてください。
自動付帯か利用付帯か
自動付帯とは、海外旅行に飛び立った瞬間に自動的に保険付帯される条件のことを指します。
逆に利用付帯とは、何らかの形でカードを利用しなければ保険付帯が発生しない条件のことを指します。
利用付帯は次の条件のいずれかを満たす必要があります。
- 旅行代金を当該クレジットカードで支払う(旅行会社利用の場合のみ)
- 旅行で必要な移動時に「公共交通乗用具」を利用し、当該クレジットカードで支払う(個人旅行の場合も含む)
2は簡単に言うと「旅行で必要になる航空機、電車、船舶、バス、タクシー等の交通費のいずれかをクレジットカードで支払う」ということです。
さらに簡単にすると「空港までの移動費をカードで払う」ことで条件を満たします。
保険の範囲
保険の範囲は必ず確認しておきましょう。
最大補償2,000万円とアピールしておきながら、その補償は事故死の場合だけだった、ということもあります。
実際によく使うのは「疾病治療」や「傷害治療」、「携行品損害」などです。
補償額
補償額の最大値も必ず確認しておきましょう。
本記事冒頭でインドネシアでの医療費情報を記載しましたが、事故や病気で現地入院、その後日本へ搬送された場合だと300~400万円程度がかかります。
疾病傷害補償だけでも最低200万円程度、救援費用を含めた場合で400万円は用意したいところです。
現在所持しているクレジットカードの補償額を確認しましょう。
もし不足している場合は後ほどご紹介する年会費無料カードとの組み合わせも検討してみてください。
キャッシュレスの有無
こちらも事前に確認しておきましょう。
また、できれば提携先の病院についても事前に調べておけば安心です。
海外旅行保険条件が良い「年会費無料」のカード
インドネシア全体、そしてジャカルタの医療費を鑑みればクレジットカードは2枚はあった方がよいでしょう。
手持ちのカードを確認し、必要があればセカンドカードの準備も検討してください。
海外在住の知見から年会費が無料でありながら付帯条件がよいカードをご紹介します。
エポスカード

年会費 | 保険条件 | キャッシュレス | 事故死 | 怪我/病気 | 事故賠償 | 救援費用 | 携行品 |
無料 | 自動付帯 | あり | 最高500万円 | 1回の事故につき270万円、1回の病気につき270万円限度 | 1回の事故につき2,000万円限度 | 100万円限度 | 1旅行中20万円限度(免責1事故3,000円) |
エポスカードは年会費無料でありながらも疾病治療補償が最大270万円、傷害治療補償が最大200万円と手厚く設定されています。
この補償内容は無料カードの中では最大級です。
その他項目も全体的に高く設定され、キャッシュレス診療も対応しています。
海外旅行へ行くなら一枚持っておいて損はないカードです。
JCB EIT

年会費 | 保険条件 | キャッシュレス | 事故死 | 怪我/病気 | 事故賠償 | 救援費用 | 携行品 |
無料 | 自動付帯 | あり | 最高2,000万円 | 1回の事故(病気)につき100万円限度 | 1回の事故につき2,000万円限度 | 100万円限度 | 1旅行中20万円限度(免責1事故3,000円) |
JCB EITも年会費は無料です。
エポスカードより補償内容は劣りますが、年会費無料クレジットカード全体の中では充実した海外旅行保険が付帯しています。
キャッシュレス診療も対応しています。
リクルートカード

年会費 | 保険条件 | キャッシュレス | 事故死 | 怪我/病気 | 事故賠償 | 救援費用 | 携行品 |
無料 | 利用付帯 | あり | 最高2,000万円 | 1回の事故(病気)につき100万円限度 | 1回の事故につき2,000万円限度 | 100万円限度 | 1旅行中20万円限度(免責1事故3,000円) |
リクルートカードは年会費無料カードの中でも最強と名高いカードです。
海外旅行保険での補償内容はJCB EITと変わりません。
一点気を付ける点があるとすれば「利用付帯」となっていることです。旅行の移動時に忘れずに利用する必要があります。
ただ、利用付帯なのにご紹介したのには理由があります。
リクルートカードは海外ATMの利用手数料が無料となっており、海外旅行で現地通貨をキャッシング調達する際に非常に便利なカードです。
旅行保険でセカンドカードの必要性があるのであれば持っておいて損はないカードということでご紹介しました。
まとめ
ご紹介したカードを一覧にしておきます。
JCB EIT | リクルートカード | ||
年会費 | 無料 | 無料 | 無料 |
保険条件 | 自動付帯 | 自動付帯 | 利用付帯 |
キャッシュレス診療 | あり | あり | あり |
事故死/後遺症 | 最高500万円 | 最高2000万円 | 最高2000万円 |
疾病治療(1回) | 1回の病気につき270万円限度 | 1回の病気につき100万円限度 | 1回の病気につき100万円限度 |
傷害治療(1回) | 1回の事故につき200万円限度 | 1回の事故につき100万円限度 | 回の事故につき100万円限度 |
事故賠償(1回) | 1回の事故につき2,000万円限度 | 1回の事故につき2,000万円限度 | 1回の事故につき2,000万円限度 |
救援費用(1旅行) | 100万円限度 | 100万円限度 | 100万円限度 |
携行品損害(1旅行) | 1旅行中20万円限度(免責1事故3,000円) | 1旅行中20万円限度(免責1事故3,000円) | 1旅行中20万円限度(免責1事故3,000円) |
海外では「万が一」が起こることもあるので旅行保険は必須です。
しかし旅行会社の保険へ加入すると一旅行あたり5,000円程度の出費が出ます。
無料クレジットカードの付帯保険を上手に活用し、現地での旅行費用を充実させましょう。