ジャカルタは大都市ではありますが新興国の首都であり、日本とは様々なルールが異なります。
短い滞在期間とはいえ日本と同じ感覚で過ごすと大きなトラブルつながる可能性もあります。
この記事ではジャカルタに旅行・観光で訪れる際に注意していただきたいことを7つにまとめました。
あまり細かくリストアップしすぎても役に立たないので、旅行時についつい忘れがちなこと、且つ重要なこと、に絞ってお伝えします。
犯罪

わかっていてもつい気を緩めてしまうのが犯罪への意識です。
ジャカルタは治安が改善されていると言われていますが、日本の治安の良さとは比較になりません。
特にジャカルタではスリやひったくりなどの軽犯罪が多発しています。
観光時の治安に対する詳しい情報は下記の記事をご参照ください。
https://jakameshi.com/travel/planning/info/safe/
交通事故

ジャカルタは公共交通機関が発達していないため、常時道路は車とバイクで溢れています。
道路や歩道は決して整備されているとは言えず、信号や横断歩道もほとんどありません。
そのためついつい道路を横断したくなる場合もあるかもしれませんが、極力控えてください。
というのも、インドネシアのドライバーは日本とは異なり人がいても止まりません。人優先ではなく車優先の社会なのです。
免許制度はありますが日本のように厳しい試験などはなく、さらに無免許運転も多いため交通マナーは最悪です。
また、道路が詰まっており、且つ歩道もほぼ無いため本当に体すれすれを走り抜けていきます。
海外旅行で交通事故など、辛い思い出にしかなりません。
決して日本と同じ感覚で「止まってくれるだろう」と思わないようにしてください。
また、万が一のことも踏まえて海外保険は準備しておきましょう。クレジットカードの付帯保険があれば充分ですがいくつか注意すべき点もあります。
詳しくは下記の記事をご参照ください。

病気

インドネシアは日本と異なる南国であり、衛生事情も大きく異なります。そのため、インドネシアに長期滞在する場合は「腸チフス」、「A型・B型肝炎」、「日本脳炎」や「狂犬病」などいくつかの予防接種が推奨されています。
短期の旅行程度であれば予防接種の必要度は下がりますが、それでも最低限の予防策は張っておきたいものです。
「食事時の手洗い」、「動物には触れない」などの基本事項はもちろん、特にご注意いただきたいのは「蚊」です。
幸いにもジャカルタには「マラリア」はないと言われていますが、稀に日本人の方で「デング熱」にかかる方がいます。
半袖で動き回る際には必ず虫除けスプレーなどで対策をするようにしてください。
東南アジアの蚊には日本製品ではなく海外製品のウルトラソンがよく効きます。
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詳しくはこちらの記事でもご紹介しています。

水や食事

東南アジアで必ずついて回るのが水や食事による「腹下し」です。
ひどい時は嘔吐を伴う場合もありますし、軽度なものでも便がほぼ「水便」となるため行動にかなりの制限が出てしまいます。
あまり神経質になり過ぎると旅そのものを味気なくしてしまいますが、最低限注意すべき点は把握しておきましょう。
細菌の進入経路として最も多いものの1つが「水と氷」です。
ジャカルタの水道水は日本とは異なり飲めません。ホテルなどの水道水はもちろん、屋台や路面店で出される水も煮沸した水道水の可能性が高いので控えてください。
ショッピングモールに入っているレストランではミネラルウォーターが出てくるので安心ですが、氷は同じミネラルウォーターを使っているとは限りません。
ある程度知名度があるお店であれば問題ないかと思いますが、そうではないお店では氷は控えた方が無難でしょう。
食事については、ローカル色の強いお店では生もの(生野菜含む)は控えた方が良いでしょう。
また、屋台にチャレンジされる方は「人気があって材料が回転している(長時間食材を放置していない)」、「加熱調理法の料理を出している」など店選びに気を付けてください。
ただ、現地在住者の知見から言わせていただくと、どれほど気を付けたとしても下る時は下ります。使用している油や水が異なるため、細菌が原因でなくとも下ることもあります。
常備薬として普段使っている薬程度は用意しておいた方が良いでしょう。ただ、個人的には下った場合はとにかく水を飲んで原因物を体外へ出してしまうべきと考えています(日本の薬がほとんど効かないという事情もあります)。
左手

ここから少しインドネシアならではの話に入ります。
ジャカルタだけではなくインドネシア全体の文化として「左手」は不浄の手とされています。
トイレ事情が理由(インドネシアの多くの地域では左手で直接お尻を洗浄する)とも、宗教的な理由とも言われていますが、インドネシア人の文化として左手は不浄なのです。
旅行者が気を付けたいのは人にお金や物を渡す瞬間です。左手で「はい」と渡してしまうのは失礼にあたります。
旅行者の場合、そこまで怪訝な表情をされたりということはないかもしれませんが郷に入っては郷に従う方がよいでしょう。
必ず右手で渡す、さらに何かを受け取る際も右手を使うようにしたいものです。
もちろん握手を求められた際も右手を差し出しましょう。
人との話し方

これも文化的な話ですが、人と話す際にもいくつか注意点があります。
まず、腰に手を当てて話すのは控えましょう。インドネシアでは腰に手をあてて話すと「非常に怒っていますよ」という意思表示となります。
長旅の疲れがついつい出てしまい、無意識に腰に手を回してしまうとあらぬ誤解を招くかもしれません。
また、あまり無いとは思いますが人前で相手を怒鳴りつけたり、大声を浴びせてしまうのもNGです。インドネシアでは人前で叱りつけられることは非常に屈辱的な仕打ちと捉えられます。
ホテルやレストランであまりに対応が悪く、クレームをつけざるを得ない場合は重々配慮した上で行いましょう。
管理人の知人で、ホテルにてホテルマネージャーと大喧嘩になり大変な事態に陥った方もいます。
何があっても必ず冷静に対処しましょう(※)。
※犯罪に巻き込まれて助けを求める際は別です。Tolong(トロン=助けて)!!と叫んでください。
パスポート不携帯による法外な罰金

最後はジャカルタ特有の注意点です。
インドネシアは「賄賂」が横行する国であり、特に「警察」の腐敗は筆舌に難いものがあります。
現大統領指揮の元、賄賂や不正の撲滅運動が進んでいるものの、長らく浸透してきた悪習はそう簡単に消え去るものではありません(※)。
※もちろん真面目に職務を遂行する警察官もいますのですべてを否定するものではありません。あくまで全体の傾向として捉えてください。
賄賂だけであれば旅行者にはあまり関係ないのですが、タチの悪い警察官だと「小遣い稼ぎ」をする場合もあります。
具体的には外国人相手に声をかけ、「罰金」という名の元に法外な金銭を自らの懐に入れます。
彼らが最も狙いやすい罰金の1つが「パスポートの不携帯」です。
実際にインドネシアでは外国人がパスポート原本を持ち歩くことは義務付けられており、在インドネシア大使館も注意を促しています。
他国のガイドブックでは「パスポートは大切なので原本はホテルに置いておき、コピーを持ち歩く」と書いてある場合もありますが、ジャカルタの場合は必ず「パスポート原本」を持ち歩くようにしてください。
万が一「小遣い稼ぎ」に巻き込まれた際にパスポート不携帯であれば言い逃れができず、大変面倒な事態となります(法外な罰金を求められます)。
もちろん相手が「真面目な警察官」の場合も面倒な事態となります(入管に連れていかれる場合があります)。
特に夜のブロックMやミュージッククラブ近辺などでのガサ入れが多くなっています。
旅行者の方は必ずパスポート原本を持ち歩くようにしてください。
最後に
旅行先ではつい気が緩んでしまうものです。また、気を緩めなくても「知らなかった」が原因でトラブルになるケースもあります。
上記7つは一例ですが比較的大きなトラブルに繋がりそうなものをまとめました。旅行時は飛行機の中で復習し、旅に挑んでください。