旅行をするならばその土地のベストシーズンを狙いたいですよね。
年間通して同じ気温が続くジャカルタには日本のような四季はなく、絶対的なベストシーズンというものはありません。
ただ、いくつかの考え方はあるのでお伝えします。
乾季か雨季か
気温は変わらないといってもジャカルタには2つの季節があります。5月から10月あたりまでの乾季と、11月から4月くらいまでの雨季です。
乾季に旅行するメリットは雨が降らないので移動しやすいということでしょう。デメリットは暑いことです。
逆に雨季のメリットは少し涼しくなること。デメリットは大雨が降ると交通網が麻痺したり、洪水で移動できなくなる可能性があることです。
ジャカルタで生活しているとそこまで変動を感じることはありませんが、もし旅行するのであれば乾季を選んだ方が無難です。
ただ、最近は気候変動のせいか乾季でも大雨が降る場合があります。乾季だから絶対に雨が降ることはないということではありませんので、留意しておきましょう。
行事的な要因
複数の宗教が入り乱れるインドネシアでは様々な祝日が設定されています。
こちらは2018年の祝日カレンダーです。
1月 1日(月) 新年
2月 16日(金) イムレック(中国暦2569年新年)
3月 17日(土) ニュピ(サカ暦1940年新年)
3月 30日(金) キリスト受難日
4月14日(土) ムハマッド昇天祭
5月1日 (火) メーデー
5月10日(木) キリスト昇天祭
5月 29日(火) ワイサック(仏教大祭)
6月 1日(金) パンチャシラの日
6月13日(水)~14日(木) 政令指定休日
6月15日(金)~16日(土) イドゥル・フィトリ(1439年断食明け大祭)
6月18日(月)~19日(火) 政令指定休日
8月17日(金) インドネシア共和国独立記念日
8月22日(水) イドゥル・アドハ1439年(メッカ巡礼最終日)
9月11日(火) イスラム暦1440年新年
11月20日(火) ムハマッド降誕祭
12月24日(火) 政令指定休日
12月25日(火) クリスマス
インドネシアでは日本とは異なり通常の年末年始はあまりイベント感がありません。1月1日は休みになるものの2日から働くオフィスも珍しくなく、ほぼ日常通りに街が稼働します。
それよりも各宗教での行事を大切にする傾向があります。
中でも留意すべきタイミングがあるとすれば、国民の9割を占めるイスラム教のお祝いである「イドゥル・フィトリ」です。
この時期は「ラマダーン」と呼ばれる断食があったり、「レバラン」と呼ばれる長期休暇があったりして街の動きが変則的になります。
ラマダーンとレバランを理解しよう
聞きなれない単語ばかりで大変かもしれませんが、旅の計画のためには理解しておく必要があります。
簡単に説明すると、この時期イスラムの人たちは約1ヶ月間「ラマダーン」と呼ばれる断食に入ります。断食期間は日が昇ってから沈むまで彼らは原則的に食事(水も含む)を摂りません。
そのため、日中は街から屋台が消え、飲食店にもカーテンがかかったりします。
また、外国人向けのレストランでもビールをグラスではなく「急須」や「ティーポット」に入れて出したりします。
苦しい断食を終えた後には「イドゥル・フィトリ」と呼ばれる断食明けを祝う暦があります。
このタイミングを契機に「レバラン」と呼ばれる1週間ほどの長期休暇があり、日本のお盆のようにムスリムの方は一斉に実家へ帰ったり、旅行を楽しんだりします。

ラマダーン中の注意
イドゥルフィトリやレバラン自体は通常のお正月的な認識で問題ないのですが、約1ヶ月続くレバランの時期は注意が必要です。
まず日中に飲食できるお店が減ったり、お酒が飲めないお店が出てきます。ただ、大きなショッピングモールでは通常通り営業していますし、外国人を相手にするような居酒屋やバーではお酒を飲むことができます。
これらの物理的な問題よりも精神的な気遣いの方が大変かもしれません。
この時期はムスリムの方々は少し元気がなく、厳粛な気持ちになっているため街全体がややピリピリした雰囲気になります。さらに毎年この時期の犯罪率は増加します。
また、外国人とはいえ日中に人前で飲み喰いを控えた方がよいでしょう。外で暑いからといって人前で水を飲むことも失礼とされています。
一年で最も大きな断食イベントではありますが、特に観光客が観て楽しめるものでもありません。特に宗教的なものを見たいということでなければこの時期は避けた方が無難でしょう。
ラマダーンは毎年時期が変わる
このラマダーンの時期はイスラム旧暦の太陰暦に沿っているので、我々が普段使っている太陽暦に当てはめると毎年タイミングが変わります。
最終的な時期は司祭が決めるので多少ずれる可能性はありますが、参考までに2020年までの対照表を示しておきます。
西暦 | イスラム暦 | 最初の日 | 最後の日 |
2017年 | 1438年 | 5月27日 | 6月25日 |
2018年 | 1439年 | 5月16日 | 6月14日 |
2019年 | 1440年 | 5月5日 | 6月3日 |
2020年 | 1441年 | 4月24日 | 5月23日 |
少しずつ早まっていきます。
最後に
特にこの時期がベストということはありませんが、特定イベントを目的に訪れるのでもない限りは乾季にラマダーンを避けて訪れるというのが良いかもしれません。