インドネシアはお酒を飲まないムスリムの国ですが、大都市ジャカルタの中心部ではお酒を飲める遊び場も存在します。
ジャカルタではショッピングモールを中心に街が回っているため、多くのお店は22時で閉店してしまいます。しかし、新興国のインドネシアは若者の人口比率がとにかく高い国。
一定以上の裕福な層に限られはしますが、元気な若者達はミュージッククラブ(ディスコ)へ繰り出します。また、現地外国人も夜を楽しむために訪れます。
この記事では観光客でも比較的訪れやすい、大型でセキュリティもしっかりしたミュージッククラブ(ディスコ)をご紹介します。
本記事の目次
クラブ(ディスコ)に訪れる際の注意事項
最初にクラブで遊ぶ際の一般的な注意事項を記載しておきます。
サンダル・短パンは禁止
ほとんどのミュージッククラブ(ディスコ)ではドレスコードが設定されています。
まず、男女ともにサンダルは禁止です。女性の場合はミュールでも入場拒否されるのでご注意ください。
また、短パンは禁止です。女性のスカートは良いのですが男性の短パンは入れません。7分丈くらいの中途半端なタイプもNGです。
女性のキュロットパンツについては情報が不足していますが、敬遠した方が分断でしょう。
女性のスカートは問題ありません。
パスポートは必ず原本を所持
エントランスチェックの際にも必要になりますが、原則としてインドネシアの外国人にはパスポートの保持が義務付けられています。在インドネシア日本大使館も注意事項として発信しています。
特にクラブなどの「夜に活発な場所」は警察の調査対象となることも多いため、必ず持ち歩くようにしてください。
失くしたり盗まれてしまうことも心配かもしれませんが、警察に捕まってトラブルになる方が大変なことになります。
どうしても心配という方は海外旅行用の防犯ポーチを推薦します。
一般的なのはウェストポーチ型で、お腹に巻いてシャツの中に隠して使います。厚手のモノだと邪魔ですし逆に目立ってしまうこともあるので、できるだけ薄手のものを用意してください。
最も防犯上で最強なのは足に巻いて隠してしまうタイプです。
ウェストポーチ型はすでに世界中で防犯手段として知られていますが、足撒きタイプは珍しいので犯罪者にもわかりにくいです。
酒が日本よりかなり高い
これはクラブに限ったことではないのですが、調子に乗るとすぐにお金が飛んでしまうので気を付けてください。
中心部のクラブだと、ビール一本1,000円程度。
ジョニーウォーカーの黒ラベルを一本入れて25,000円程度取られます。
ジントニックなどのカクテル類も日本の高級ホテルラウンジ並みの価格なのでご注意を。
シートはボトルを入れなきゃ座れない
これは訪れるクラブにも依りますが、一般的にシート席はボトルを入れないと座れない、と思っていた方が良いです。
ソファー席はほぼ100%ボトル客用で、丸テーブルの小さい席でもこのルールが適応されることが少なくありません。
ローカル向けの安いのクラブだと少し緩いのですが、すいている時は大丈夫でも少し混んでいるとボトルが無ければ離席を求められます。
そんなVIP席には地元華僑の子世代の姿が目立ちます。日本の数倍するウィスキーをボトルで入れては飲むわ飲むわ。
インドネシアの隠れざる金持ちの姿を見ることができるでしょう。
外国人として見られているということを忘れない
ジャカルタに限ったことではありませんが、くれぐれも海外旅行をしており、自分は外国人として見られているということを忘れないでください。
特に東南アジアへ旅行する場合は所得の差があることを念頭に置いてください。
ジャカルタには日本人が想像もつかないような金持ちも存在しますが、多くの住民にとって外国人はまだまだ「お金持ち」です。
外国人を狙った犯罪も日々発生していますのでご注意ください。
注意事項はこのあたりまでにして、実際のクラブ情報を見てみましょう。
旅行者におすすめの現地富裕層向けミュージッククラブ(ディスコ)
ジャカルタには富裕層向けのクラブからローカル向けのクラブまで存在しますが、まずは富裕層向けのミュージッククラブをご紹介します。
ブロウフィッシュ(BLOWFISH)
ブロウフィッシュはジャカルタの中心地から少し南へ入ったエリアにあるミュージッククラブです。
新旧の入れ替わりが激しいジャカルタで10年以上も営業を続けている老舗のクラブでもあります。
店内はコンパクトなサイズではありますが、内装もスタイリッシュに統一されていて都会的な雰囲気を持っています。
流れている音楽も他のクラブよりこだわりを感じさせます。
店名 | BLOW FISH |
住所 | City Plaza at Wisma Mulia Lantai Dasar, Jalan Jendral Gatot Subroto Kav 42, Mampang Prapatan, RT.3/RW.2, Kuningan Bar., Mampang Prpt., Kota Jakarta Selatan |
電話 | +62 21 52971234 |
営業時間 | 21時00分~深夜 |
Web | http://www.ismaya.com/micro/read/blowfish |
エンピリカ(EMPIRICA)
エンピリカはミュージッククラブというよりは「クラブ寄りのミュージックラウンジ」と呼んだ方がしっくりと来るかもしれません。
SCBD(エスチェーベーデー)と呼ばれるジャカルタ中心地に位置しており、このエリアは富裕層の若者達が集まる場所でもあります。
他のクラブよりも身なりの整った男女が運転手付きの高級車で夜な夜な乗りつけてきます。その分、少し店内も大人しい印象を受けるかもしれません。
店名 | Empirica Bar & Lounge(foundry lot 8) |
住所 | SCBD Lot 8 Hall A, Kawasan Niaga Terpadu Sudirman, Jl. Jenderal Sudirman Kav. 52-53, RT.5/RW.3, Senayan, Kby. Baru, Kota Jakarta Selatan |
電話 | +62 812-9008-0841 |
営業時間 | 21時00分~深夜 |
Web | http://www.empiricajakarta.com/ |
X2
X2は日本人も多く住むスナヤンエリアのショッピングモール、プラザスナヤンに入っているクラブです。
4~5Fにまたがる大型のクラブで、最大で1,000名以上のゲストが同時に訪れることもあります。
場所柄こちらもエンピリカと同様に富裕層や若くして成功した起業家、外国人が集まります。
ロケーションもわかりやすいため旅行者には最も訪れやすいクラブかもしれません。
店名 | X2 |
住所 | Plaza Senayan Lt. 4 – 5, Jl. Asia Afrika No.8, RT. 1 / RW. 3, Gelora, Jakarta Pusat |
電話 | +62 21 5725560 |
営業時間 | 21時00分~深夜 |
Web | http://x2club.net/ |
コロッセウム
コロッセウムはコタと呼ばれるジャカルタ北部の最北に位置する大型のクラブです。
コタは昔ながらの街並み残る古都として知られていますが、夜は夜遊びエリアとしての顔も持っています。
その中でも大型なスペースを構えるコロッセウムは音響や照明効果、さらにはパフォーマンスまでとにかくすべてが派手です。
中心地からのアクセスが悪いのは難点ですが、もしコタに滞在される場合や時間に余裕がある場合は訪れてみる価値はあるクラブです。
店名 | Colosseum Jakarta |
住所 | Jl. Kunir No.7, Taman Sari, Tamansari, Kota Jakarta Barat, Daerah Khusus Ibukota Jakarta |
電話 | +62 21 6909999 |
営業時間 | 21時30分~深夜 |
Web | http://colosseum.id/ |
ローカル向けミュージッククラブ(ディスコ)
主にインドネシア人がメイン客層のクラブです。筆者もそこまで多くの場所は知りません。
というのも、以前はローカルメインのクラブも多かったらしいのですが、近年は淘汰が進み、ほとんど潰れてしまったり、ラウンジ系のクラブにリニューアルされたりしています。
Funkot(ファンコット)と呼ばれるインドネシアコタエリア発祥の音楽が流されることが一つの特徴です。
ファンコットとは、2000年代初頭にインドネシア、ジャカルタで生まれたハウスミュージック究極進化系。BPM200近くでプレイされ、独特のビート、パーカッション、ベースライン。激しいシンセサイザーフレーズと節操のないボイスサンプルが特徴。あらゆるジャンルのファンコットスタイルのリミックスが存在し、洋の東西を問わない。そのリミックスはもはやリミックスというより「魔改造」といった方が正しい。車に例えるなら、水陸両用ジェットエンジン付きで武器を搭載したデコトラみたいなもの(出典DUGEM RISING)。
【閉鎖】ゴールデンクラウン(Golden Crown)
ファンコットは2000年代に隆盛を極めたらしいですがその後どんどんファンコット系の大型クラブは排他されていき、現在でも残っているのがこのゴールデンクラウン。
現地日本人界隈では「ローカルが多くて危ないクラブ」、というイメージが強いのですが実はファンコットの聖地として生き残っているクラブという側面もあります。
きっとここ以外にもまだ超ローカルなハコがあるのでしょうが、ディープすぎて筆者は踏み込めていません(ゴールデンクラウンで十分)。
さて、このゴールデンクラウン、中はフロアが分かれており、通常のハウスが流れる部屋と、ファンコット中心の部屋があります。そしてカラオケもくっついていたりします。
上述のハイエンド系クラブと比べると危険さと下品さが5割増しくらい。ステージパフォーマンスもトップレスのお姉さんだったり、完全に何かがキマってしまった方々が踊り狂っていたり…。
とまぁ、実はこっちの姿の方が本当のジャカルタの姿なのかもしれません。
エントランスフィーはドリンク込みで100,000 IDR程度(日によって大きく違う)。
本記事で紹介している他のクラブやパブより安全性は低いので、訪れる際は気を引き締めて行ってください。
店名 | Golden Crown |
住所 | Jalan Pinangsia Raya No.1, Daerah Khusus Ibukota Jakarta |
電話 | +62 21 62302888 |
営業時間 | 21時00分~深夜 |
Web | http://www.goldencrown.co.id/ |
ライブパブ
DJではなく、生バンドによるステージパフォーマンスが売りのクラブというよりパブです。
ジャカルタで有名なのは2店。なぜかどちらも有名なホテルに入っています。
ホテルに外国人客が多いこともあり、「売春宿」と呼ばれるほど外国人狙いのプロ嬢が集まっている場でもあります。が、パフォーマンスも捨てたものではなく、ローカルの子達も普通に遊びに来ます。
だいたいバーエリアに常駐している女性はプロ。ステージ際で飲んで騒いでいるのは一般客です。
エントランスフィーはドリンク込で200,000 IDR~。
CJ’s Bar
日本人界隈で「売春宿」として有名なライブパブで、ホテルムリアという5つ星高級ホテルの中にあります。
毎日生バンドが登場するのですが、かなりステージ慣れしたパフォーマーを雇っており、週末はフロアがけっこう盛り上がります。
アクセスが良いこともあり、下手なクラブに行くよりも気軽に楽しめるかもしれません。
実際、一緒に行った日本人女性もインドネシア人女性も、楽しんでいました。要は楽しみ方ですね。
店名 | CJ’s Bar(シージェイズバー) |
住所 | Hotel Mulia Senayan Mezzanine Level, Jl. Asia Afrika Senayan, Daerah Khusus Ibukota Jakarta |
電話 | +62 21 5747777 |
営業時間 | 21時00分~深夜 |
Web | https://www.themulia.com/jp/cjs-bar-jakarta/ |
B.A.T.S
<写真はオフィシャルサイトより引用>
ホテルムリアのCJ’s Barと並ぶもうひとつのライブパブが、これまたなぜかシャングリラホテル内で営業するバッツ(B.A.T.S)です。手元に写真が無いのでオフィシャル写真を拝借してきましたが、実際はもう少し「下品」です。全体的に暗めで、西洋系のオジサマたちで溢れる「パブ」っぽいイメージです。
ここもCJ’s Barと同じくプロ嬢がたくさんいます。また、やはりCJ’s Barと同じく生バンドが毎日パフォーマンスをします。個人的な好みもあるのでしょうが、筆者はCJ’s Barのパフォーマーの方が好きかなぁ。
店名 | B.A.T.S |
住所 | Jalan Jendral Sudirman Kav 1, Foundry No. 8, Jl. Jend. Sudirman, Daerah Khusus Ibukota, South Jakarta City |
電話 | (021) 29399562 |
営業時間 | 17時00分~2時00分 |
Web | http://www.shangri-la.com/jp/jakarta/shangrila/dining/bars-lounges/bats/ |
最後に
「ムスリムの国」として固いイメージがあるインドネシアですが、夜のジャカルタは結構お酒にまみれたスペースがあります。
ここ以外にも、新しいクラブやお店がOPENしています。
ただし、特に旅行者の方は安全面には気を配った上で遊ぶようにしましょう。
節度を守ればトラブルなく楽しい思い出となってくれるでしょう。
溢れんばかりの若いジャカルタっ子のパワーを感じてください。