海外生活役立ち

【海外生活】あなたは今どのステップ?心理学に見る異文化適応過程を経験交えて考える

先日「どれくらいでジャカルタ生活に慣れるものなんですかねぇ?」と聞かれ「なかなか難しい質問だな…」と思いました。

「生活に慣れる」の定義も難しいし、当然個人差もある話。

気になって調べたところ、ちょっと面白い話を発見したのでご紹介します。

「うーん、なんか俺(私)、海外向いてないのかな…」と悩んでいる方は一読の価値があるかもしれません。

心理学的アプローチによる異文化適応過程

なんと、「異文化適応」をテーマとした心理研究領域がありました。

簡単にいうと「人はどういうステップで異文化(≒海外生活)に順応していくのか?」を考える領域です。

何を隠そう筆者は大学で心理学を専攻しておりました。研究領域は「環境が人に与える心理変化…」この手の話はけっこう好きです。

 

いくつかの順応モデルがあるようですが、「Wカーブ説」というものがわかりやすかったのでご紹介します。

 

「Wカーブ説」元々はリスガード(S.Lysgaard)という研究者がUカーブ説としたモデルを、のちにガラホーン(J.Gullahorn)という研究者が再提唱したものです。

海外生活における、人間の順応過程は大きく分けると5つの段階に分けることができる、というお話。

異文化適応の図
  1. ハネムーン期
  2. ショック期
  3. 回復期
  4. 適応期
  5. リエントリーショック

個人的な経験踏まえた「解釈」も交えながら以下で補足します。

 

ハネムーン期

海外生活が始まり目に映るものすべてが新しく映る時期。

人によっては軽い興奮状態かもしれません。

「よし、新しい生活に順応するぞ」と自ら積極的に情報を取りに行き、異文化に積極的&楽観的な期間です。

日本と比べて不便な生活環境でも「海外だから…」と割り切ろうとする自分がいます。

現地での人間関係構築にも積極的で、自らいろいろなコミュニティや集会に参加する時期でもあります。

 

ショック期

言葉の問題や生活様式の問題などがあり、現地文化の適応に限界を感じ始める時期です。

また、海外で新しく構築した人間関係(特に日本人同士の関係)にも限界を感じ、無性に日本の友人や家族が恋しくなる時期でもあります。

理想と現実のギャップにショックを受ける時期、と捉えても齟齬はないかもしれません(←このくだりは完全に筆者の解釈です)。

ちなみに、メンタルヘルスに影響が出てくるとしたらこの時期だそうです。

 

回復期

言葉がある程度は理解できるようになり、自分で生活をコントロールできる部分が増えます。

また、お互いを理解して生活面や心理面でサポートしあえる友人もでき始めます。

徐々に心理状況も安定に向かっていく時期です。

 

適応期

現地での文化適応がある程度完成した状態です。

海外現地での「生活の落としどころが見えた状態」とも言えるでしょう。

生活に多少の不便さがあれども、対応できる部分も多く、不安や心配が少ない状態です。

 

リエントリーショック

「本帰国」のタイミングで発生する「逆適応」のことです。

海外生活で適応した部分を今度は日本に再適応させないとならず、そのギャップに悩む時期とのこと。

ちなみに、海外現地での生活が充実していればいるほど、日本での適応には悩むそうです。

 

筆者は経験していませんが…ジャカルタに長くいてから日本に帰るとなると…なんとなく想像できる話です。

都会の場合、満員電車に乗るにもリハビリ必要になりそうですしね…。

 

近からず遠からずな心理モデル

心理学の世界では常ですが、別にこのモデルが「絶対」というわけでもなく反証もあるようです。

見た感じではものすごいシンプルになっているので、基礎モデル的な位置づけなのかな?と思いました。

実際には個人差があり、曲線のパターンや時間軸もバラツクでしょう。

そもそも時間軸は触れられてないですね

 

個人的な経験を踏まえて以下、感想をいくつか述べます。

 

ハネムーン期からのショック期はあると思う

「ハネムーン期」については「ある!いやっない!」と専門家内でも意見が分かれるそうですが、筆者は納得感がありました。

 

特にハネムーンからのショックの下り

 

今思えば最初の数カ月は多少無理をしていた感が否めません。

知り合いも頼れる人もいない中、日本人会やインドネシア人の集まりに参加して…でも手ごたえのなさを感じる日々。

 

そして6カ月~12カ月目くらいは

 

 

マジ無理かも、帰りたい。日本の空気吸わないと死ぬわ。

 

 

という時期がありました(笑)

 

最初の一時帰国は天にも昇る気持ちでしたね(←パンパンに太り、肌もつやつやになってジャカルタに戻りました)

 

その後、徐々に順応が進んでいき、二回目の一時帰国では「飯が美味いけど東京疲れるなぁ…」というニュートラルな意見に変わっていました。

二回目の一時帰国はいつだか忘れた…というくらい記憶にないです。

 

実際は「景気」のように細かい波を作りながら大きな波になる

過去を思い返すと、ここまで大きな波でなくもう少し小刻みに波を刻んできた気がします。

実際は「景気変動」のように「小刻みな波」を作りながら「大きな波」を形成していくのでしょう。

蛇足ですが景気の波についてはこの動画がわかりやすいです。

 

筆者はすでに「適応期」だと思いますが、食べ物の好みは今だにぶれます。

日本食ばかり食べたくなる時期があれば、ローカルご飯に偏る時期もあり。

 

たぶん適応まで行かない人も…いる…

海外生活には「合うor 合わない」は必ずあるものだと思います。

適応期までいかずに適応状況が停滞してしまう人も中にはいるはず。

また、ジャカルタがダメでも他の国だと大丈夫、というパターンもあるでしょうね。

その逆もあるかも?

だって日本の都市ですらあるでしょ?

 

海外生活は山あり谷あり

住み慣れた国を出て、異国に住むというのは何がどうあっても楽なことではないでしょう。

今でこそ完全順応している人だって当初は苦労していますよ。

中には苦労を苦労と思わない鉄の心臓を持つ人たちもいますが…むしろ海外には多い…?

 

しつこいようですが、今ですらこんな記事を書いている筆者ですが最初の6カ月から12カ月目あたりは本当に日本が恋しかった…。

 

日本米が食べたい…

友達に会いたい…

東京の都会暮らしが懐かしい…

日本酒…

 

ばかり考えていましたね。

 

ちなみにジャカルタ飯(当ブログ)を始めたのはすでに適応してからです。

 

何を言いたいかと言いますと、ジャカルタに来たばかりの方は大変に感じることも多いかと思いますが、「いつか順応する可能性」はあるので無理しないで行きましょう、ということですかね。

 

「よぉし!誰よりもすぐに慣れてやるぜぇ!」と意気込む必要もないし、「あぁ…私は海外に向いていないんだろうか…」と嘆く必要もありません。

 

人には人の順応ペースや幅があるので、背伸びせずにいくのが一番ですよ。

 

この記事を書くにあたり、下記のブログやPDFを参考にさせていただきました。

謝意も込めてリンクを張らせていただきます。

なお、ご紹介した理論については筆者独自の解釈も含まれていることはご了承ください。

正確な情報は専門書をご参照ください!

参考 【異文化適応過程】Uカーブ仮説とWカーブ仮説

参考 海外在住日本人の「異文化適応過程」について

参考カルチャー・ショック」と適応理論の再考

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で
ABOUT ME
jakameshi
ジャカルタ飯の主宰です。ジャカルタ在住で奥さんはインドネシア人。生活・仕事・観光・ご飯・国際恋愛…。守備範囲は広いです。 更新情報が届くFacebookページはこちら くだらない小話も届くTwitterはこちら 地味な写真が届くInstagramはこちら
更新情報をメールで受け取る

メールアドレスをご登録いただくと、更新情報をメールでお届けします。