インドネシア/ジャカルタの生活や文化

WRITER: jakameshi

インドネシアの国際結婚手続きは大変ですか?大変です!~プロテスタント編~

2019/02/05

私事ながら先月(2018年11月)にインドネシア人の女性と国際結婚をしました。

結婚までの道のり(結婚手続き)が想像以上に大変でしたので、あとに続く方に向けてまとめておきたいと思いました。記憶が薄れぬ前に…。

記事を読む際の留意事項を少しだけ補足させてください。

  • 筆者は法の専門家ではないため誤った記載があるかもしれません
  • あくまでも「外国人男性」「プロテスタント」目線の「体験談」として割り切ってください
  • ところどころ「つらそう」な記載が出てきますが終了した今は幸せです(←準備はつらい)

なんか「インドネシアの結婚って大変そう」というイメージがありますよね。

「具体的にどの辺が大変なのか?」を皆さんに伝えられれば目的達成だと思っております。

あきらかに理解がおかしいところがあれば専門家の皆様からの優しいご指摘お待ちしております。

インドネシアの結婚が大変な理由は…

インドネシアでの結婚手続きが煩雑になる理由は何か?

すべてが終わった今、筆者の結論としてはずばり2つです。

  1. 宗教と結婚が紐づくから
  2. 必要書類が多いから

だから手続きが増える。

手続きを簡略化する方法もあるそうですが筆者は義母(インドネシア人)の希望もあり「真正面」からやりました。

以下、補足します。

 

原則的に夫婦は同じ宗教でなければダメ

インドネシアの婚姻については1974年にスハルト大統領が制定した婚姻法(Undang-undang Republik Indone sia Nomor 1 Tahun 1974 Tentang Perkawinan)が元になっています。

筆者の理解だと「インドネシアで結婚するためにはお互いが信奉する宗教の宣言が必要である。当局に結婚を登録するためにはお互いが信奉する宗教からの“承認”が必要であるという内容かと。

で、ムスリムの場合はKUA(Kantor Urusan Agama=宗教事務所)で挙式も婚姻登録も行う。ムスリム以外の場合は各宗教団体からのSurat Nikah(結婚証明書)を取得し、Catatan Sipil(民事登録局≒市役所みたいなもの)にSurat Nikahとともに登録をする。

とどのつまり「どの宗教でも宗教からの”承認”がないと結婚できない」ということ。

そして「ほとんどのケースで宗教を統一しないと承認を出してもらえない」と思います。

少なくとも筆者が承認を真正面から教会に相談したら「簡単だよ…条件はたったの2つだ。1つめは神を信じること。2つめは君もクリスチャン(プロテスタント)になることだ。」とバッサリでした。

 

でも小見出しで「NGなケースが“多い”」と緩めたのは抜け道がありそうだからです。

まずはブローカー的な人たちや司祭の存在。聞いただけなので詳しい話は避けますが、お金や人脈で解決することはまだまだ多いインドネシアです。結婚のためだけに一時的に宗教を変え、後で戻すというパターンもあるらしい。

次に海外で結婚しインドネシアに報告するケース。日本やシンガポールでは宗教宣誓なしに結婚ができます。先に海外結婚してしまい大使館経由でインドネシアに報告するパターンです。

 

ただ筆者はどちらの道も取っていないため詳しくは書けません。知りたい方はすでに経験された方を探してみてください。

いずれにしろ宗教と実生活の関係が深いインドネシアでは、宗教婚を経ていないと「ちゃんと結婚した」と見なされない場合が多いのかと思います(特に親族関係は渋いです)。

 

とにかく細かい書類を求められる

全体を通じて申請書類を集めるのがかなり大変でした。

ちなみに必要な書類は「所属する宗教団体」及び「エリアごとのCatatan Sipil」によって微妙に違ってくるそうです。

ですのでどこのWebサイトでも在インドネシア日本大使館でも「これだぁ!」というのは教えてくれません。自分で情報を取りに行くしかないのです。

あまり参考にはならないでしょうが、筆者が求められた書類を覚えている限り書き出します。

  • 筆者の婚姻要件具備証明書
    →日本で「独身証明書」と「戸籍謄本」を取得し在インドネシア日本大使館で発行する
  • 先方両親のKTP、当方両親の免許証コピー(KTP=ID≒免許証と説得)
  • 私の免許証とパスポートコピー
  • 教会への婚姻申請書(with両親直筆のサイン)
  • STM(Surat Tanda Melapor)
    →IMTAを持っていくと警察で発行してくれる居住証明?みたいなやつ。
  • 夫婦個人の写真(赤背景)
  • 夫婦一緒の写真(赤背景)
  • 嫁のActa Kelahiran(出生証明書)
  • 嫁のKartu Keluarga(家族カード)

まぁとにかく細かい。外国人だからしょうがないですけどね。

でも「KTP的なもの出して」と言われた時はさすがにびっくりしました。「番号が必要なんだよ」と。しかも自分と両親の分。

苦肉の策でみんな持ってる「免許証」のコピーと番号を書類に記載したけど良かったのかいまだに疑問です。

パスポートでいいじゃん、と思うのですがダメみたいですね。そのあたりはお役所仕事なんでしょう。

あとITASやIMTAがあるのに警察でわざわざSTMを発行しなきゃならない部分もしんどいです。記載内容は一緒ですので。

 

書類集めはまさにRPG(ドラクエみたい)。

すべての書類を集めるためには7つの宝玉を集めなければならぬのだ。

 

婚姻届けを出すまでの各プロセス

さて、前提となる愚痴知識はこれくらいにして次にプロセスごとに追体験をしていきたいと思います。

今振り返ると全体の流れをはこんな感じでした。

念のためもう一度書いておきますが「クリスチャン(プロテスタント)」のプロセスです。

マジョリティのムスリムとの結婚はまた違ってくるのでご注意を。

ステップ 改宗 宗教婚 民事婚
成果物 Surat Baptisan Surat Nikah Akta Perkawinan
プロセス ①複数回の授業
②洗礼
①複数回の授業
②関係づくり
③書類集め
④教会で挙式
①書類集め(続編)
②Catatan  Sipilで申請
関係団体 所属宗教・グループ 所属宗教・グループ Catatan Sipil
大変だったこと ・外国語の聖書は難しい
・朝8時からの礼拝
・書類集めがドラクエ
・朝8時からの礼拝
・書類集めがドラクエ
・登録には平日家族総出(Saksiが必要)
その他 ←この間にPerjanjian PerkawinanをNotaris経由で準備→

 

Surat Nikahの申請の前に改宗手続きがまずしんどい

「嫁がプロテスタント(非ムスリム)」の筆者はCatatan SipilからAkta Perkawinanをもらうのがゴールです。

そのために「教会からのSurat Nikah」を取得しなければなりません。

しかしいきなりSurat Nikahの準備には入れません。

 

そう、まず「改宗」しなければなりません。

 

改宗の手続きは宗教によって違いますし、同じ宗教でもムスリム以外の場合は団体によって作法・手続きの量が違います。

筆者の場合は数回の改宗者用クラス(授業)を受け、最後は休日にクリスチャン系学校のプールに沈められる(インドネシア語でBaptisan=洗礼)、という過程を経て貴重な「Surat Baptisan(洗礼証明書)」を発行してもらえました(大変貴重な書類なのでアップは控えます)。

授業の教科書はもちろん聖書。そして中身はもちろんインドネシア語。

聖書って日本語で読んでも難しいですよね…。それをインドネシア語で…。

嫁と牧師が一生懸命英語に訳してくれましたが最後は訳してくれなくなりました(笑)

わかります。聖書を日本語からその場で英語に訳せと言われてもつらいですもの。

そして心の目で筆者は聖書を読書したのでした。

 

宗教婚前には夫婦用の授業がある

洗礼を終えてプロテスタントの仲間入りを果たした後に、晴れて宗教婚手続きに入れます(実際はだいぶ平行作業でしたが)。

しかし!なんとここでも「授業」が目の前に立ちはだかります。

そう「夫婦になるためのレッスンwithバイブル」です。

これ、インドネシアのクリスチャンに聞くと「当たり前」。

ちなみに筆者が最初に相談した教会では「毎週日曜日、1回2時間、半年間通ってください」と言われました。

「(直観的に無理…)」と思った筆者は嫁に懇願して義理弟が通う教会のドアをノック。

そこは柔軟で「うちは5回でいいよ!」とのことだったので世話になることに決めました。

ちなみに授業はもちろん聖書がテキスト。なかなか興味深い教えもありました。特に覚えているのは下記の教えです。

  • 嫁と自分の母親は一緒に住ませてはダメ
  • 母親じゃなく嫁の味方をすること
  • 嫁を他者としてじゃなく自分と「同じ」ように愛すること、それが最上の愛

多分に牧師の解釈が含まれますが納得感のある授業でした(牧師曰く“俺は自分の母親の味方をして一度失敗した…”とのことで)。

 

結局は関係づくりで足しげく教会に通わないとダメ

すべては「真っ当」なプロセスで進めていることが背景にあるのですが…教会で式を挙げるということは教会コミュニティに属している人たちに多大な協力を仰ぐことになります。

また結婚のためとはいえ改宗プロセスも進めている身(改宗と結婚クラスを平行で進めていた)。

「まさかあなた5回しか教会に行かないつもりないじゃいよね?」と嫁に釘を打たれるわけです。

教会は義理の弟が通い、子供のころは嫁も通っていたコミュニティ。

「結婚のためだけに教会に来ているやつら」

と思われるとこれまたご迷惑をかけてしまうわけです。

結局「半年間毎週」とはいかないまでも「隔週」くらいで連れていかれました…。

 

ちなみに礼拝は毎週日曜の朝8時から。

 

でもおかげさまでインドネシアの皆さんが宗教をどうとらえているのか?生活においてどういう位置づけなのか?を言外で感じることができたのは良い経験となりました。

なんというか、この辺りの宗教に対する考え方を理解しないと嫁を理解できないのだと思いました(相手が無宗教なら別ですが)。

 

挙式ではインドネシア語で宣誓

日本の結婚式とは違ってインドネシアの挙式は「神に宣言し神からの許可をもらう儀式」です。

挙式当日は原稿用紙400文字くらいの宣誓文を「丸暗記」して言わないといけません。

日本の教会挙式で見る「誓います」だけじゃなく、+αで「私は聖霊と神の名のもとにあなたを妻として迎え入れます…健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも…死が二人を分かつときまで…神の名のもとに…(←だいぶ省略しています)」を夫婦お互い個別に言います。

 

最初、挙式の3週間くらい前に「あ、そういえばこれ覚えておいてね」と牧師から原稿を渡されたのですが、もちろんインドネシア語。

 

練習しましたが、すいません…筆者の乏しいインドネシア語力では「まったく気持ちが入らない…」それゆえ「頭に入りません」。ということで急遽英語に差し替えました(日本語は嫁が気持ち入らないのでNG)。

それゆえか牧師も当日は英語MIXでやってくれる柔軟な式に。この辺りの柔軟さには感謝しかない。

 

市役所の登録には「証人」として家族が同行

挙式を終えてSurat Nikahを手に入れてもそれで終わりではありません。市役所的なCatatan Sipilへ登録が必要です。

挙式はJakartaでしたが嫁の家族カードがあるのはBogor。それゆえCatatan SipilはBogorへ行かねばならぬことになりました。

筆者のITASはJakartaですが「外国人だからダメ」らしくインドネシア人の嫁が優先されるんですね。

 

この手続きの何が面倒臭いって「Saksi(証人)」として家族も同行してもらう必要があること。

義理の妹夫婦(Jakarta在住)に平日月曜から半日つぶしてBogorに同行してもらいました。

ビジネスの契約書でもそうですがインドネシアって「Saksi(証人)」を非常に重視しますよね。Bogorだけ?かもしれませんが。結婚も同じらしい…。

Catatan Sipilの登録はわりとあっさり、と言っても1時間程度。待ち時間はなく担当の方から内容の説明で40分、記念撮影で20分程度です。

 

面白いかったのは筆者は外国人だから戸籍筆頭者にはなれず、嫁が新しい家族を持つ、という考え方になる部分。筆者はまさかの扶養家族?と言ったらガチで怒られかけたので閉口しました。

なにはともあれこれで無事にAkta Perkawinan(結婚証明書)が発行されるかと思われます。

(執筆時点でまだ受け取りに行っていないのであくまで想定)

 

婚前契約書を忘れないでください

経緯に沿って書いたのですっ飛ばしましたが「婚前契約書(Perjanjian Perkawinan)」の締結も必要になります。

ものすごい端折って説明しますと、

  • インドネシアは夫婦財産共有性で資産は夫婦共有
  • 外国人と結婚すると資産を外国人と共有することになる
  • 外国人は土地を持てないのでインドネシア人側も土地の購入、保有、売却ができなくなる
  • なので婚姻前に婚前契約書を結んで「財産は別」と法的に明示しておく
  • するとインドネシア人側の配偶者の権利を守れる

ということ。

これ、意外に見落としがちなので気を付けてください。

「婚前前」…つまりCatatan Cipilに登録する前にNotarisを通じて作成し、Surat Nikahその他もろもろとともにCatatan Cipilに提出します(ムスリムの場合はKUA?)。

婚前契約書というのは「婚前」に契約するから効力があります。夫婦になってからの契約は法的拘束力がないので認められません。

婚姻後に気づいても基本的にはNGです(裏技的にBackdateで登録した人もいますが再現性は少ないかと)。

 

これはBAHTERA HISITEMさんの記事で大変わかりやすくまとめられています。筆者も何度繰り返し読ませていただいたかわかりません。

気になる方はこちらの記事をご参照ください(外部サイトに飛びます)。

財産分離所有(pisah harta)を明記した婚前契約書(Perjanjian Perkawinan)には何が書いてあるのか? 【インドネシアは夫婦財産共有制】

 

最後に

いやーーー。ついに書きました。長かった…。

できるだけ短く書いたつもりですが、やはり長くなってしまいました。

最後まで読んでくださってありがとうございます。

 

インドネシアの結婚プロセスで詳細情報がないのは「固まり切ったプロセスがない」からだと思います。これだけの宗教や民族が混ざっているともはや無理なのかと。

ただ宗教ごとにある程度近しいプロセスにはなっているはず。プロテスタントのインドネシア人ってあまり多くないですが、この記事が今後誰かの役に立てば感無量です。

インドネシア人と結婚する人以外にも、インドネシアを理解する一つのきっかけとなればうれしい限りです。

 

最後に蛇足ですが、友人のアドバイスによれば仏教での結婚が一番プロセス的に簡単だそうです。

一時は嫁を仏教に改宗させてさくっと終わらせる計画もありました。

結局嫁と嫁の母親が嫌だったらしく、最終的に時間をかけてもプロテスタントの正道で進めることになりました。

一生に一度の晴れ舞台だし女性にとっては特別な日。大変でしたが結果的に嫁の意向に沿ってよかったと思います。

 

現場からは以上です。

 

結婚の法的なプロセスとは別に、「結婚式自体」の書きたいお話もあるのでそれはまた別途機会があれば。

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