初めまして、インドネシアのコーヒーに魅了され、ジャカルタでコーヒーやナッツの輸出、そして趣味の延長ではありますがコーヒーショップを営んでいる堀米と申します。
メインは自動車会社の仕事をしています。
今回ご縁あってジャカルタ飯さんでコーヒーについて書かせていただくことになりました。
インドネシアのコーヒーをより楽しく美味しく飲めるよう、5つの視点で基礎知識をご提供させていただきます。
ぜひお付き合いください。
それでは本題に入りましょう。
インドネシア滞在はコーヒーを楽しむチャンスでもある
インドネシア滞在中は、日本にいる時と比べ美味しいコーヒーを学ぶチャンスです。
何故か?
インドネシアは世界で4番目のコーヒーの産地だからです。
日本でもトラジャコーヒーなどは、耳にすることはありますが、世界的にインドネシアのコーヒーは過小評価されている傾向にあります。
背景には供給や品質、価格が安定せず、貿易取引が難しいということにあります。
ですが、やはり産地だけあって、インドネシアに住む我々は良質なコーヒー豆へのアクセスが日本よりだんぜんにあります。
是非美味しいコーヒーを経験し、インドネシアの代表的なアラビカ豆を楽しみましょう。
コーヒーってどこまで深く学ぶべき?
コーヒーについてどこまで理解すべきか、コーヒー通になるにはどこまで知っていればいいのか、ということも留意しますが、ほどほどにわかっていればいいというレベルでいいと思います。
過信はいけませんが、自分で大体わかったというレベルであればいいでしょう。
その為には経験(多くのよいコーヒーを飲むことが肝要です)。
当方2006年からインドネシアで勤務していますが、インドネシア中を出張する機会があり、ある時スマトラに出張していた時に、コーヒー農園があることに気がつき、車を止めてコーヒーチェリーを手にした時からコーヒーに興味を持ちました。


その後、地方出張がある際は、良質なコーヒーに出会うことが、出張の楽しみの一つにもなっていました。
今では趣味の延長ですが、クマンでコーヒーショップもやっています。



大体わかったレベルとは?ですが、ワインを例にあげると、ワインについて全く知らないとレストランでオーダーの際、少し恥ずかしい経験をするかもしれません、やはりある程度知っていた方がいいということになります。
ワインであれば、オールドワールドとニューワールドがあり、食事が肉の場合は赤、シーフードの場合は白、夏の暑い日など最初は白、和食に合う赤はピノノアール、濃い赤はカベルネソーヴィニヨン、あとはどの地域にどういったワインがあるか、イタリアンのワインはオーダーしづらいけど実は結構おいしい、等、知っていれば十分ではないでしょうか?
あとは自分の好みのワインがはっきりわかっていればいいと思います。
経験上、ワインをある程度学ぶには3年位は必要ではないでしょうか。
唯一の方法は多くのワインを飲む(経験)することです。
そして場慣れすることです。
ワインについて詳しい人からお話を聞くこともいいと思います(ただワインを語る人はキザで面倒な人もいるかもしれません、それは注意しましょう、笑)。
経験があって、ワインの本を読み、もっと知識をつけるというのがいいかもしれませんが、一番大事なのは経験です。舌で覚える、見る、聞く、話す、を通じて学ぶことが不可欠です。
さて、そういうレベルでコーヒーをある程度理解するには、やはり多くの良いコーヒーを飲むことです。コーヒーもワインも抽象的な部分がありますが、二流、三流品だけ飲んでいては善し悪しが判りません。
やはり良いものをいただくと全く違う世界があることがわかります。おいしい良質なコーヒーを探求する必要があります。
毎回チェーン店のコーヒーだけ飲んでいては、いつまでたっても美味しいコーヒーがなにか、また今回のテーマである美味しいインドネシアのコーヒーについても学べません。
インドネシア滞在中にインドネシアコーヒーを学ぶためにはやはり2、3年は必要で、多くの良質なコーヒーを飲み、自分の好みのインドネシアのコーヒーが何かが自分ではっきりわかるレベルに達することが望ましいといえます。

前置きが長くなりましたが、以降で具体的な基礎講座に入ります。
美味しいコーヒーとは?
美味しいコーヒーとは何か?インドネシアのコーヒー豆に限ったことではありません。
まず美味しいコーヒーの絶対条件とは以下の3つです。
- コーヒーが新鮮であること
- 豆の素性がわかること
- 既にグラインドされていた豆ではなく(豆が粉上に挽かれてない状態)、飲む際にグランドされた豆であること。
これらが絶対条件です。
チェーン店でのコーヒーがある程度美味しく感じるのは、飲む際にグラインドされているからです。
これだけで、風味とコクが違います。
ただチェーン店でのコーヒーはどのくらい新鮮か、そのコーヒー豆の情報がどれだけわかるようになっているか?は疑問です。
鮮度ですが、鮮度についてはいつ収穫された豆か?というポイントと、いつ焙煎された豆か?と2つのポイントがありますが、最も大事なのは後者です。
焙煎後3日後から1ヵ月以内の豆がベストです。
経験上2カ月くらいでも問題ない場合があります。
そう考えると、食品売り場で棚に並んでいるコーヒー豆は、賞味期限が長く設定されてものが殆どなので、既に美味しいコーヒーであることの条件を満たしていません。
いつ収穫された豆かというのはあまり大事ではありませんが、参考までですが、市場で流通しているものは大体収穫されてから2年以内の豆だと考えます。
カレントクロップ、パーストクロップといわれる豆です。
全てを輸入に頼っている日本は、あまり新しい豆が流通しているとは考えにくいかもしれません。
日本で飲むコーヒーは苦いコーヒーが多いです。
またブレンドコーヒーが多いです。苦いコーヒーが多い理由はおそらく鮮度をごまかす為に、豆を焼きすぎている場合が多いと言えます。
私もそうでしたが、日本にいると苦いコーヒーが美味しいコーヒーだと間違った認識を持ってしまう場合が少なくないかもしれないと言えます。
世界中どこにいても、既にグランドされたコーヒーを買って飲んでいるうちは美味しいコーヒーを飲んでいるとは言えません。
焙煎後どれくらいの日数が経っているかが大事ですが、それと同じくらい大事なのが、飲む前にグラインドされたコーヒーをいただくことが重要です。
コーヒーこれだけ知っておきましょう
その他、コーヒーで知っておくべきことは、コーヒーはアラビカ豆とロブスタ豆という品種あるということです。
アラビカ豆は高地(標高900m以上)で育つ、味も良い高価な豆です。
ロブスタ豆は低地で採れ、多くはアラビカとミックスしてブレンドとして使われます。
エスプレッソもアラビカとロブスタのブレンドが使われます。
インドネシアから輸出される豆は8割がロブスタ豆ですが、じつはレベルの高いアラビカ豆も生産されています。
他にはリベリカという豆もありますが、世界的にもマイナーで殆ど流通されていません。
アラビカ豆は世界的に収穫量も少なく、香りと味わいのレベルが高く、味もしっかりしています。
シングルオリジン(生産地がわかるコーヒー)は通常アラビカです。
ここでは、コーヒーについてもインドネシアにいる間にここまで習得すればいいというレベルを目指します。
ある程度知っていると、自信がつき、知らないことは知らないと言える自信がつきます。
少し脱線しますが、知らないことを知らないと言える人は、自信がある人です。
後編からはよりインドネシアに合わせた、コーヒー知識を学んでいきましょう。

執筆協力店舗情報 | |
店名 | Batavia Coffee & Nuts |
所在地 | Kinara Building, Jl. Kemang Raya No.78B, Kemang, Bangka, Kec. Mampang Prpt., Jakarta, Daerah Khusus Ibukota Jakarta 12730 |
電話 | 08175101688 |
営業時間 | 11時~22時 |
Web | https://www.bataviacoffeenuts.com/ |
