ジャカルタで新築を購入したら、驚くことばかりでした…ということで未来の世代に向けてエッセイ(←嘘)を残しています。
書けば書くほど思い出してきました。
このまま火の鳥のように全13巻まで行ったらどうしよう。
前回は準備編でした。

そして日本では考えられない苦労の末に…ついに工事が始まった!
それでは前回に引き続きリスト形式でお伝えします。
いったい何が起きたのか?
本記事の目次
その① コントラクターが増築部分を間違えた

何を言っているかわからないと思います…。
筆者も書いていて「いったい私は何を書いているのだ?」と感じました。
ちょっと補足します。
大前提としてですが、我が家は
- プレキャストで戸建てができる(同じ形の家が並ぶ、日本で言う分譲)
- いきなり増築
- 内装工事
- 住んだ後の手直し
という段取りで進みました(4が段取りに含まれるのがインドネシアスタイル)。
細かい話は端折りますが、最初の1の段階だと本当に「箱」の状態なんですよ。
もちろんそのまま家具を配置して住む人もいるのですが、「ちょっとこれだと…」という点も多いです(特に外国人である私には)。
例えばですが、
- キッチンがあまりにしょぼい(屋台か?って感じのキッチンの扱い)
- 土地面積に対してあまりに重視されている駐車場と庭
- 収納スペースがまったくない(押し入れ、物置という概念なし)
- とにもかくにも空間の使い方がもったいない(東京に住んでたので空間貧乏性)
など。
で、「申し訳程度の裏庭」がついていたのですが、そこをぶち壊してキッチンやらランドリースペース、倉庫(物置←これは私の超こだわり)やらを増設したのです。

駐車場も半分潰してプレハブ小屋(妻と喧嘩した時に引きこもるため)か、日本庭園でも立ててやろうかと思いましたが、うちの場合フロントの改造はデベロッパーの方針により「禁止」されてたんですよねー(裏側はわりと自由)。
さて、ということでいきなり「増築」含めてレイアウトやらデザインやらを進めていきました。
資金に余裕もないので、たいそうなデザイン事務所などには頼めないぞ…ということで妻の高校時代の友人にデザインを依頼したのですね。
一方で改築工事自体はそのクラスターの建物に慣れているコントラクターに頼むことになったんですよ。なぜならプレキャストの改築はプレキャスト自体に慣れた棟梁が必要だから(じゃないとマジで破壊されるらしい)。
と、ここまで来るとインドネシア歴が長い人なら想像がつきますよね。
そう。
チームワーク皆無
そしてインドネシアでも起きる…
現場とデザインの乖離
リーダーの不在…
しいて言えば発注者の妻がProject Manager
仕事でも起きることは当然プライベートでも起きるのだ。
さて、それでもプロジェクトは進みます。
初期のデザイン計画ではキッチンスペースを平屋で作るだけだったんですが、コントラクターのアイデアで「キッチンの上を屋上にして倉庫も作っちゃう」という方針になったのですよ(このコントラクターのアイデアには今も感謝しています)。
で、細かい話ははしょりますが…増築工事が始まりました。
そして何度目かの進捗を見にいったある日…
デザイナーの図面よりも屋上スペースが増えてる
という摩訶不思議な現象が起きたんすよね。
イリュージョンかな?
と思いましたよね。
コントラクターの話を聞くと、「水道の場所や階段の設置方法を考えるとこれがベスト」ということでして。

すごい現場判断~~~~~~~~~
デザイナーとすり合わせしようやーー
まぁこの話についてはコントラクターが正しかったので結果オーライです。
でも結果が逆だった場合を想像すると…ホラーですよ。
ほんと、インドネシアの問題は連携がないことなんですよね(官民ともに)。
営業と開発のぶつかり合い
施工とデザイナーのぶつかり合い
キッチンとホールのぶつかり合い
日本でも起こるんですけど、インドネシアはその比じゃないですね。
現場が正しい場合もあるのですが、難しいのは現場寄りにしすぎると間違いなく「昔ながらのインドネシア風の家」にされるわけで。
それが悪いわけではないけど、外国人の私にはいろいろつらい。それは避けたい。
ではそのせめぎあいをここから書こうじゃぁないか。
その② 作業見積もりが甘すぎて、逆に厳しく増え続ける見積もり

インドネシア人が最も苦手とすることの一つ、それはずばり「作業見積もり」です。
そしてこれがまたプロジェクトの大小関わらずに起きるんだ…。
もちろん増築工事も例にもれず。
日本だと最初にきっちり計画を立て、多少のリスク金(原価が上振れしても吸収できるバッファ)も見込んで出すので見積もりが修正されることは少ないですよね。
インドネシアだって見積もり修正なんて野暮なことはしません。
別の見積もりが新しく出てきます。
やれドア代は含まれてないだの、
屋上の天井は含まれてないだの、
電源の移設代金は含まれてないだの、
エアコンの設置は含まれてないだの、
払わないってことはないので、頼むから最初に見込んで出してほしいよね。
仕事と同じで一部予算が変わると都度帳尻を合わせないとならんのよ…
結局、当初想定していた予算の2倍とまではいかないものの、1.5倍くらいには膨れました。
その③ え?洗面台とか自分で選ぶの?

嘘か誠か、インドネシアで家を建てる時はけっこうな範囲で「施工主」が材料や資材を用意する。
ちなみに我が家が自分で調達したもの
- シャワーセット(備え付けのしょぼいやつから交換)
- 洗面台と排水管(追加した)
- シンクと排水管(私が自分で特大シンクを選んだ)
- 換気扇とコンロと温水器(リンナイさんから素敵な価格で提供してもらいました♥)
- ウォータ―トラップ付きの排水溝をいくつか
他にもあったかもしれないけどこの辺り。
いや、てっきりデザイナーやコントラクターが選んで「どうする?」って提案してきてくれるものだと思ってました(はるか昔、両親が日本で実家を作った時にはそんな感じだった気が…)。
ところが、わりと普通な感じで「そっちで選んで現場に送ってね」って流れだったのでびっくりしました。
予算短縮、時間短縮の側面もあるのでしょうが、びっくり。
妻に聞いたら「まあ普通。両親の家もそうだったよ」とつらーっと言うものですから、まあそういうことなのでしょう。
おかげさまで洗面台やシャワーセットの価格帯は業者並みに理解を深めました…。
その④ 勝手に大工が住んでた

以前日本のツイッターで「大工にトイレを使われた!」って騒いでる人がいたけど、甘い甘い甘い。
うちなんて勝手に大工が住んでたよ?
我が家は先に戸建てとして完成した物件を即改築しているので、壁とか壊しながらも部屋は残ってたんですよね。
ある日、しばらく間を開けて様子を見に行ったら、2階の部屋にこりゃまあ使い勝手の良さそうなキッチンワゴン。
そして生活臭の漂うちょっとしたカーペット。
極めつけはできたての屋上に干してある洗い立てのパンツ。

と状況証拠だけで十分理解しました。
でも、これもまあ「普通」らしいですね。
実際周りの家ができる様子を今見ていますが、みんな住んでる(大工が)。
これには2つの理由があります。
- 人件費削減(住み込みで安い地方の大工を使える)
- 治安維持(物取りを防ぐ)
合理的と言えば合理的なのか…
でも気を付けないとやつらは屋内でタバコを吸うので要注意です(一発目で厳重注意しました)。
その⑤ 送っておいた電球の数が合わない

「治安維持」の効果どこいったよ。
内部犯だろ。
と…おそらくですが盗難ではなく壊したので証拠隠滅したのだと思います。
たぶん若い大工。
ちなみに副棟梁みたいなおっちゃんは「ごめん、2個割った」と壊した日に正直に報告してきました。
男らしいですね(でも弁済せず)。
若い大工よ、せめて言ってくれ。怒らないから。
その⑥ 我々も住んでいいか?と聞いてくる内装大工

もういいよ…Youも住んじゃいなよ…
お前らは聞いてくるだけ偉いよ。
タイミング的には入れ替わりだったのがまだ幸い。
さて、ここまででだいたい増築部分が完成です。
次は内装工事に入っていきます。
コントラクターグループの残党の配管系大工。
そしてデザイナー側が用意した内装系大工。
2つの大工が入り乱れ、混迷を極める結末はいかに…
さらなる混乱が起きる第3話をお待ちください。