もうタイトルにすべて凝縮しているような気もしますが、ジャカルタで戸建てを購入しました。
Twitterでは小出しにしていたが、山あり谷あり、さらには崖やクレパスまでありの、なかなかハードな体験をしました。
*
「家の購入は大変だ」
日本でも聞きますね。
「何を言うのか…ただのお買い物ではないか…」
「何が大変なものか…大げさなやつらだ…」
ええ、筆者もそう思っていましたよ。
でも実際に購入した人の話を聞くと、検討から入居、生活が落ち着くまで大変だったと聞きますよね。
それがインドネシアだとどうなるのか…
さらに100年に一度のパンデミックの最中だとどうなるのか…
語ろうじゃないか…100年に一度の大型の買い物を…
*…回想シーンです…
…10年以上前に日本で友人の戸建てに遊びにいったんですよね。
その時に
友人「このウッドデッキがこだわりなんですよ~大変でしたけど…最高です(ドヤ顔)…」
と言われて
筆者「(ふーん、何を大げさな…)」
と思っていたんですが、今なら一緒に飲んで泣いて喜びをわかちあえる。
それくらいに大変でしたね。
*…回想終わります…
これから筆を進めていくわけですが、読んだ人…特に日本から読んだ人は、
「なんて可哀そうな人だ…後悔しているのではないか…」と思われるかもしれません。
ただ、先に伝えておきますが全然そんなことはありません。
確かに大変でしたが、落ち着いた現在は快適そのものです。
それに先人たち(主にTwitter住民や妻の友人たち)の話を聞くと、私が体験したことはまぁインドネシアでは普通…いや…むしろマシな方かもしれない…。
あと、これも伝えておきますが、ここに書いた話が全インドネシア共通なわけではないです。
タイミングや場所、価格、購入条件、会社や担当者、によってはもっとスムーズに買えるパターンもあるでしょう(逆のパターンも…)。
まぁたまたま筆者の場合はこんなことが起きた、という程度で聞いてほしい。
*
こんな苦労話をいったい誰のために書くのか?
それは、「これからインドネシアで戸建てを購入するかもしれない若い方々」のためです。
あらかじめ「こんなことが起こり得る」と知っておけば、配偶者と相談しながら回避できるかもしれませんからね。
大きな買い物ですから、少しでも満足度を上げて欲しいのです。
税制や契約関連の話は調べれば多少は出てきますが、生々しい苦労話はほとんど出てきません。
仕事もプライベートも失敗談や苦労話の方が価値があるのだよ。
もしあなたが戸建てを購入するなら思い出してほしい…この記事を。
そして役に立ったのならば…DMで私に連絡して一杯おごってください。
本記事の目次
購入した自宅について

知っていた方が臨場感が湧くと思うので、スペックや購入条件を軽く伝えておきます。
あまり細かくかくと身バレしそうなので、やんわりと
- エリアはジャカルタ市内(これは妻のこだわり=KTP(ID)移動したくない&会社までの距離)
- 価格はジャカルタでは中くらい(ご想像にお任せします)
- クラスター(囲われてて、出入り口では警備員が24時間だべってる)
- プレキャスト(わからない人は調べてね)
- 建売(プレキャストなのでパターンを選ぶ)
- 現地大手デベ(上場してても関係ないね、だって大工は未上場)
- 自宅は名義も権利も妻のもの(インドネシアのルールです)
筆者的には今伸びてるBSDとかで良かったのですが、妻の仕事の関係もありジャカルタ市内縛りとなりました。
さすがにでかい買い物だけあり、苦労もでかい。
その分、前置きも長くなってしまいましたが本題に入っていきましょう。
その① 住宅ローンの利率がワンダフルインドネシア

まあ新興国なので当たり前と言えば当たり前なんですが、住宅ローンの年利が日本の比ではない。
コロナ前までは定期預金の金利も7%とかありましたからね、この国は(高度経済成長初期の日本みたいなもの?)。
ただ解せぬのはコロナで預金金利は下がったのに、住宅ローンの金利はそれほど下がらずだったこと。
どこの国も銀行というのは…うらやましい話だ(笑)
諸条件によっても変わってくるので個別ケースの数値を述べるのは避けますが、興味がある人は「KPR(Kredit Kepemilikan Rumahの頭文字)」で検索してみてください。いろいろ出てきます。
筆者から言えることは、日本のノリで住宅ローンを組もうとすると、普通に借り入れ金の倍払うことになるぞということ(計画変更を余儀なくされました)。
ですのでインドネシア人はDP(Down Payment)を死ぬ気でかき集めて、ローン年数を極力減らす人が多いみたいですね(少なくとも私が知っている限りでは)。
これからインドネシアで戸建てを購入するかもしれない方は、キャッシュを存分に用意しておくことを強くお勧めします。
その② 契約後にほぼ連絡不通になるセールス担当

これはインドネシア云々というより、そいつの人間性の問題ですね。
筆者が黒魔術使えたら間違いなくそいつにかけてます。
いや、ほんとに驚いた。ぜっんぜん連絡つかなくなったんですよ、マジで。
こちとら初めての住宅購入なので相談事項が山ほどあるのに、WAを入れても返信なし。
筆者「会社に怒鳴り込む!」
といかにも日本人っぽい対応を取ろうとしたのですが…「それはやめろ」と言う妻はやはりインドネシア人ですよね(あからさまに怒るのはダメらしい)。でも優しすぎるだろ。日本の消費者は鬼だぞ。
最終的には別の担当者にまとめてケアしてもらい、セーフランディング。
「騙し」は無かったのでまあ良いのですが、絶対何かありましたよね、内部で。
そしてこういうトラブルがあった際にも、組織的な対応をまったく期待できないインドネシア。
それを痛感した出来事でした。
その③ 家主が知らないうちに工事が始まっていた

工事を始めるにはデベにデポジットを支払ったり、役所的なところに工事申請をしなければなりません。
いつものことながら「申請完了まで2-6週間くらい?」とふわっとした時間感覚。
こちとら工事の進捗は気になるので「いつ始まるの?」とコントラクター(≒建築士兼工事責任者のオヤジ)に尋ねるも茶を濁すような返事でいつになるかわからない。
筆者「(うーん、いったいいつ始まるのか…)」
って連絡来ずに勝手に始まってたよね、ワンダフルインドネシア!
すごいなコントラクター。
驚きを通り越してもはや興味がわくよね。
普通さすがに「始めます」って連絡するだろw
その④ 安定の「引き渡し日が半年遅延」

パンデミックの最中でしたので仕方がないっちゃ仕方がない。
工事が止まるし制限もあるしね。
でもせめて逐一状況は教えて欲しかった…。
聞いても「いつできるかわからない」となるんですよね。
準備も進められないまま、最終的には引き渡し予定日よりも半年の遅延。
新居の支払いは工事開始前に住ませており、金を払っているのに見通しが見えない(※)というのはストレスでした。
※ちなみにインドネシアで仕事をすると日常茶飯事ではある。ただ…個人の出費だとストレス10倍でした。
でもなんでそんな大変な時期に家を買ったのか?
それは「税金(10%)の特別免除期間」だったから。
パンデミックで滞った消費を刺激するインドネシア政府の粋な施策でした。
でかいよ…10%は…
さあ、ということで待望の工事が始まったのです!
続きは「工事編」を待たれよ…