インドネシア/ジャカルタの生活や文化

執筆者: jakameshi

これだけは知っておこう!ラマダン(断食月)って何?注意事項は?

2018/05/17

マスジド

インドネシアで年に一度必ず訪れるラマダン。

このラマダン、宗教がない国で育ってきた日本人にはいまいちピンと来ないことも多いかと思います。また、イスラム教の人々にとっては一年で最も大切で神聖な時期でもあり、我々外国人が注意すべきこともあります。

日本人の方から聞かれることも多く、このタイミングでまとめてみました。

新生活を始めた方やこの時期にインドネシアに来てしまった出張者は学習用に、お役に立てば幸いです。

そもそもラマダーンって何?

イスラム教の人々が教義に則り、約一ヶ月間の断食(プアサ)を行う期間のことを「ラマダン」と呼びます。「断食」といっても一ヶ月間何も食べないとさすがに死んでしまいますので、「日の出から日没まで」と時間を決めて断食を行います。逆に言えば日没から日の出の間に一日分の栄養を摂取します。

イスラム教ではない筆者からすると「大変そうだな」なんて思ってしまいますが、実際大変らしいです。ただ、ムスリムの方にとってはとても大切な時期らしく、非常に神聖な気持ちになるそうです。

この時期が近づくと、おばちゃんたちの日常会話の中にも「いや~、もうプアサの時期が来たわね~、食料買い込んでおかないと。」なんて会話が聞こえてきます。

 

いつから、誰が決めたの?

決めたのはもちろんイスラム教で最も重要な人物のムハンマド。

ラマダンはイスラムの「五行」である信仰告白・礼拝・喜捨・断食・巡礼の一つです。

624年にムハンマドが隊商と戦いになり、勝利したことを記念してこの月をラマダンとすることにした、とか。目的としては、ヒジュラ(聖遷)での辛さを追体験するため、また食料への感謝の気持ちを持つために、などと言われています。それが今でも続いている、ということがすごいです……。

このあたり、イスラム教の興りが気になる方は阿刀田さんの本がおすすめです。コーラン以外にも旧約聖書や新約聖書のバージョンもあり、興味を持つきっかけとして非常に読みやすいです。

筆者はこの本をきっかけに、新約聖書や旧約聖書など阿刀田さんの本をガッツリ読み漁りました。

 

 

ラマダン中の生活リズム

この時期、ムスリムの方々の生活スタイルは一変します。まず、超早起きになります。3時か4時くらいに起床し「サフール」と呼ばれる断食開始前の食事を取ります。

モスクからアザーン(お祈りの時間を告げる声)が聞こえたら断食開始。朝方から夕方6時30分頃の日没までは何も食べないし、お水も飲みません。断食レベルも人によって異なり、まじめな家庭だと唾すら飲み込んではいけません。

日没時のアザーンが聞こえたら「ブカプアサ」と呼ばれる断食明けの食事を獲ります。12時間以上、胃に何も入っていないため「タジル」と呼ばれる甘いものを食べて胃をなじませる、なんてことを聞いていましたが、実際そんなこともなく最初からゴレンガン(揚げ物)をガシガシ食べたりしています。

この「ブカプアサ」はちょっとした特別な食事で、軽いイベントのような意味合いを持っています。断食明けをみんなで「今日も頑張ったな!」と分かち合う感じなのでしょう。筆者も「お前もいっしょにブカプアサ混ざれ!」なんて言われたことも多々あります。

また、筆者友人は仕事優先でこのブカプアサを雑に扱ってしまったため、インドネシア従業員からしばらく総すかんを食らった人もいます。

 

開始時期が毎年違う理由

ラマダンは毎年開催時期が変わります。その年の開催時期はイスラム歴に則って決まるからです。

イスラム歴は純粋な太陰暦で、月の動きで暦を決めていきます。月の動きは約29日。我々が使う暦は一ヶ月が30~31日。この差が積み重なり、毎年ラマダンの時期はずれていきます。

今年2018年は5月15日~6月14日までですね。

インドネシアでは宗教省のアナウンスによって開始直前に開始日が決まるのですが、イスラム歴によりある程度時期は決まっています。2020年までの予定はこのようになっています。

西暦 イスラム歴 開始日 終了日
2017年 1438年 5月27日 6月25日
2018年 1439年 5月17日 6月14日
2019年 1440年 5月5日(予定) 6月3日(予定)
2020年 1441年 4月24日(予定) 5月23日(予定)

 

レバランって?

断食明けの休暇のことです。インドネシアでは断食明けの少し前からレバランモードに入ります。

2018年は断食明け大祭の6月15~16日を含む、6月9日から20日までの12日間が政令指定休日(有給休暇一斉消化日含む)となっています。なんとも長いですね!

ちなみに雇用主はこの時期にレバランボーナスと呼ばれる給与を払わねばなりません。最低で月給の一ヶ月分。この支払義務は法律で決められています。

さて、ムスリムの人たちにとってはこのレバラン休暇が年に一度のスーパーホリデイ。ジャカルタからはこぞって皆さんホームタウンへ帰ります。メイドさんや運転手さんも例外なく帰省します。

ジャカルタの中は、企業も活動停止しており、サービス業もまばら、さらにメイドも運転手もいない、となり外国人たちももっぱら本国へ帰ったり他国へ旅行へ行くのが常となっています。

 

我々外国人が注意すべきこと

さて、インドネシア人口の9割を占めるムスリムが最も大切にしているラマダン。この時期は我々外国人が気を付けるべきことがいくつかあります。

 

敬意を示す

まず、この行いに対して敬意を示して接することが大切です。逆に、きちんとした敬意を持てれば自ずと行動も改まり、後述するようなことも些細な問題になってきます。

インドネシアの素晴らしいところはムスリム以外の宗教もしっかりと根付き、同居していること。この秘訣に「お互いをリスペクトする」というポイントがあります。

無神論者が多い日本人にはなかなか理解しにくい部分ですが、ムスリムの人たちは「生きるために祈る」のではなく「祈るために生きる」ような人たち、という印象を受けます。筆者は、「自分には持てない考え方や生き方を貫いている」という意味で彼・彼女らをリスペクトしています。

 

人前でご飯を食べない

教義上の神聖な行い、とはいえムスリムの皆さんは空腹です。彼らの前で昼間にご飯を食べたり、水を美味しそうに飲むのは控えましょう。オフィス内はもとより、路上でも、お店でも。ちなみにこの時期、レストランなども料理が外に見えないようにカバーしている場合があります。

 

メイドや運転手にはボーナスを

レバラン時期、雇い主の場合はボーナスを。仮に会社から給与を支給している場合でも、感謝の気持ちを込めて何かお菓子などを渡すととても喜ばれます。きっとお歳暮的な感覚なのかな、と筆者は捉えています。相手の文化を理解することは関係構築の重要な一手!

 

仕事の密度を考える

この時期、インドネシア全体で昼間の生産性は著しく下がります。ご飯を食べてないのですから当たり前です。でも、決して怒らないでください。ラマダンの時期は「感情を人前に出すのはよろしくない」という教えもあります。むしろ状況を理解し、仕事の内容をコントロールしてあげましょう。この時期は押し付けても無理なものは無理なのです。それよりも良いパートナー、良いボス、良い会社、として関係を強化した方が得です。

 

ビールが急須で出てきても驚かない

この時期、グラスやジョッキでビールは飲めなくなります。ピッチャーは急須に、グラスは湯呑になったりします。洋風の店ではティーポットでビールが出てきたことも。そもそもムスリムの中で禁忌とされる「お酒」を外に見せないためです。飲むのは夜だし、どうせ彼らも飲まないからいいじゃん!と思ってしまいがちですが、これも「相手を尊重してあげる」ことの一つなのでしょう。

 

まとめ

以上、いかがでしたでしょうか。知ってるようで、意外に人に説明しようとすると難しかったりします。

ちなみに、「注意すべきこと」でビールのことを書きました。ビールでですらこうですから「夜遊び」できるところも激減します。どこでなら遊べるんだ!?なんて野暮な探索はせずに、この時期くらいは我々日本人も神聖な気持ちで過ごしてはいかがでしょうか。

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