日記・雑談

執筆者: jakameshi

それは劣化か最適化か?日本食が海外に進出する際の論点 from ジャカルタ

2018/02/01

先日、自分とは専門分野の異なる知人(日本人)と話していて面白かったのでまとめてみました。

簡単にまとまると、

  • 日本人はよく海外に来て「味が落ちた」とか「日本の味じゃない」と言いがち
  • 現地で広がってる日本食は往々にして日本人が食べるとNGなものが多い
  • 最適化すると日本人には劣化に感じることもある
  • でも実は劣化じゃなくて最適化の結果の場合もあるよね

という話です。

飲食の話にフォーカスしてましたが、他のサービス業全般で考えてみても面白いテーマだと思います。むしろ食以外に広めると議論が深まりそう。

ざーっと書きなぐったので整理されてない部分もありますが、御笑覧ください。

海外でも日本を求めてしまう日本人

海外に住んでいると客観的に日本を見ることができるようになります(逆に日本人らしさを失う部分もありますが)。

筆者の場合はパートナーのインドネシア人フレンズに囲まれる機会も多く、そこからも日本に対してバシバシ客観的な意見をもらうことがあります。

ポジ、ネガ、細かい話がけっこうありますが、太く一貫して言われるのが「日本人はどこに行っても日本流に固執しがち」という点。

ご飯然り、自分が受けるサービス然り、そして会社の運営なども。

これは日本からのゲストに対してはもちろん、筆者自分自身に対しても未だに感じます。

 

食についての絶対味覚信奉

特に著しいのは食について。

日本人は自分たちの味覚に絶対的な自信と信頼を置いています。そして自信と信頼を支える物語も枚挙にいとまがありません。

 

第五の味覚「うま味」を発見したプライド。

旬を考え尽くし、素材の味を活かす和食自体のキャラクター。

あらゆる食を取り入れ、工夫し、本国の人たちすら時に唸らせる応用力。

フレンチやイタリアンなど他国の料理界で活躍する日本人たち。

 

挙げればきりがないですね。

 

日本の食事は世界トップレベルに安くて美味いと考えている人がほとんとでしょう。誤解を避けるために前置きしますが、筆者もそう思ってる一人です。日本人の舌は他国と比べて相対的に繊細だと思う。

 

ただ、問題だなあ、と感じるのはその日本の基準をどこに行っても持ち続けてしまうこと。

 

その結果、海外で和食や日本ブランドの飲食店に入り「いやー、なんか日本と違うし不味い」「最初は美味かったけどしばらくぶりに行ったら劣化してた」とついボヤいてしまいます。

 

そしてついつい「これは日本食じゃないんだよ」と日本人同士、または現地の方に言ってしまいがちです。

 

本物の日本食は全員にとって美味しいわけではない

ところがどっこい、日本の日本食が必ずしも万人にとって美味しいわけでもありません。

ことインドネシアの場合、日本との味覚の差は非常に大きい。海外をよく知るお金持ちの方々ですら、元の味覚はかなり違うなぁと感じます。

こと一般層の人たちの場合はもうもう全然味覚が違う。

筆者のパートナーは納豆が好き、という変わり者ですが、それでも和食に関して言えば細かい味の違いまではやはりわかりません。

 

あの店は劣化したのか?最適化したのか?

冒頭の話に戻りますが、よくある「あの店の味は変わってしまった」や「うーんこれは日本食的には…」という話。

当地でのマネジメントに四苦八苦してクオリティが維持できていないのかもしれません。一方、もしかすると現地で最適化を果たした結果なのかもしれません。

実際現地にて最強に最適化を果たした日本食というのはネイティヴの日本人には受け入れがたいものがあります。ストレートに感想を述べると「いやー、これは日本的には…」と言ってしまいがち。

でも、インドネシアの大都市に関して言えば、美味しい日本食はHokbenであり、美味しいきちんとした寿司はSushitei が代表格。両方とも日系ではありませんが、インドネシア人は「あれって日本の会社でしょ?」思っちゃうくらい。あれこそがインドネシアでの日本食成功例。

逆に日本の味の再現にこだわりすぎると原価は跳ねるし、ターゲットも極小化。結果多店舗化は難しくなりそうです。

もしかすると「いやー劣化したな」と感じた大手フランチャイズ店も、当地の味に最適化を果たしている最中なのかもしれません。

ここはインドネシアですから、日本人に褒めてもらう必要はありません。現地内需を狙うならばインドネシアの人々に美味い!と言われて愛されるのがゴールですから。

 

広い心で日本食を見守る

「こんなの日本食じゃない!」と憤ることなかれ。

まあそりゃあ自分が食べて美味い!と思える日本のブランドが増えていくのは嬉しいですが、実際そんなことにはなりません。

また、様々な国の人に、様々な形で愛された日本食が広がっていくのも素晴らしいことでしょう。

「たらこバタースパゲティ」や「梅しそパスタ」ができた時だって本場イタリア人は「こんなのパスタじゃないよー、邪道だよー」とか言っていたのかもしれません。

ちなみに!筆者がパートナーと日本へ帰り、居酒屋で少し洒落たナシゴレンを食べたところ「こんなのナシゴレンとしては失格、高すぎるし不味い」とバッサリ切られました。

味覚、そして食文化って面白いですね。

最後に蛇足ですが、先日インドネシア人に「リーズナブルで味も雰囲気も良いIZAKAYA」として大人気の居酒屋(日系)にインドネシア人たちと行ってきました。

味はある程度インドネシア寄りに調整されていた感はありますが、日本人の筆者が食べても全然アリな味。見事に間をついていてすごいなぁ、と。おかげ様でインドネシア人たちと居酒屋文化を語りながら楽しい時間を過ごせました(全員ビールがぶ飲み)。

白か黒か、じゃなくてああいう「グレーゾーン」の狙い方もあるんだなぁ、と感じる所がありました。

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